商業施設新聞
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No.756

ウーバーイーツにチャレンジ


新井谷千恵子

2020/5/19

 新型コロナウイルス感染拡大を受けて、緊急事態宣言が発令してから早1カ月が過ぎた。筆者も外出を控えた生活が身についてきた。もともとインドア派であるからして、休日はゲームにYouTubeなど、自分なりの楽しみ方を探して過ごしている。

 さてそんな筆者だが、家に居ざるをえないという状況下にあって、実はチャレンジしたいものがあったのだ。それは「ウーバーイーツ」である。そう、多くのYouTuberが「○万円で爆食?!」みたいな動画を上げる時に大体使用している、かの有名なウーバーイーツだ。

 筆者が現在住んでいるところは、最寄駅から徒歩約30分、会社まで片道1時間半超えの、準工業地域の中にひっそりと位置するのどかな場所であるが、その立地性からか家の付近には飲食店が皆無であり、洒落たテイクアウトご飯などは夢のまた夢なのである。少し歩けば大きい商業施設があるが、もちろんスーパー以外はほぼ休業しているわけで、自炊以外で食べられるものは最寄りのコンビニに頼るほかない。もちろん健康にもお財布にも自炊が一番なのは百も承知だが、たまにはタピオカを飲んだりガパオライスを食べたりしたい。そんな少しの希望を叶えるべく、満を持してウーバーイーツのアプリをインストールしたのだった。

 インストールが完了し、逸る気持ちを抑えて決済情報を入力していく。あらかじめ対象地域に入っていることはもちろん確認済みだ。今日の夕飯はタイ料理かしら、なんて浮かれてポチポチと操作を進めていくと、すべての設定が終了した。そして出てきたのは「現在、こちらの住所への配達に対応しておりません」という文言だった。

行列がもはや懐かしい今日この頃
行列がもはや懐かしい今日この頃
 そう、矛盾を感じる文章であるが、どうやら筆者の住んでいる場所は対象地域には入っているが、対応していないようなのだ。浮かれていた分とても悲しく、虚しい気持ちで退会しようとしたのだが、今度は退会するのに必要なSMSが届かない。もうどうにでもなれと思い、会員登録はそのままでアプリだけをアンインストールした。苦い初夏の思い出となった。

 そんなほろ苦体験はさておいて、飲食店におけるテイクアウト専用プラットフォームの導入は急速に進んでいる。ECのように、将来的にはライフラインを支える一つの柱へと進化するかもしれない。またウーバーイーツでは、注文した飲食店あてに1度の注文につき100円寄付できる機能を導入するなど、相互扶助的なシステムを構築して不安定な現状を乗り切ろうとしている。食料品などの生活必需品以外の業種は厳しい状況が続くが、各業界ともに存続を賭けて様々な施策を打ち出しており、ここにきてデジタル化が急速に進むなどの新局面への道が見えてきている。
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