商業施設新聞
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No.761

宮島の旅を回想


今村香里

2020/6/23

 数年前に初めて母と二人で旅行に行った。滅多にないこの機会に、一度は行ってみたいと思っていた広島の宮島へ行くことになり、前日は少々心が浮き立っていた。

宮島の鹿。白いお尻がかわいい
宮島の鹿。白いお尻がかわいい
 広島駅で待ち合わせて、JRで宮島口に行き、そこからフェリーで宮島に向かう。駅からフェリー乗り場までの間にも魅力的なお店がたくさんあり、宮島に到着するまでに道草してしまうところだった。フェリーで宮島に到着すると、まずはかわいい鹿に出迎えられた。餌はやらずにスマホで記念撮影しまくったので、少し鹿に申し訳ない気持ちだったが、次のスポットへ。商店街で昼食を済ませ、いよいよメーンの「厳島神社」に向かった。

 厳島神社は多くの人で賑わっていた。とにもかくにもここまで来たのは、御朱印をいただくことが一番の目的だったので、真っ先に御朱印の列に並んだ。その後に大鳥居の方へ向かったのだが、干潮で大鳥居までの潮浜には大勢の人がいた。正直、満潮の風景を思い描いていたので残念な気持ちだったが、干潮の時も滅多にないと思い、大鳥居まで歩いてその幽玄な佇まいを堪能したのだった。

フェリーから見た宮島エリアの景色
フェリーから見た宮島エリアの景色
 それから、「大願寺」、ロープウェイで「弥山展望台」まで行き、道中で頼もしいガイドさんとともに歩いたのだが、50歳を過ぎた母の体力には度肝を抜かれた。時間に余裕が無かったとはいえ、正直、付いていけないほどのスピードでロープウェイまで急ぎ足......。母親の新たな一面を垣間見たようである。そして、珈琲好きの母が「伊都岐珈琲」に行きたいと言ったので美味しい珈琲を飲んで休憩し、宮島を後にした。ほんの束の間だったが、親孝行もできて満足だ。

 後日、広島駅の駅ナカ商業施設「エキエ キッチン」のオープン取材に行ったときは、「伊都岐珈琲」など宮島ならではのお店が数店出店しており、時間がなくても駅で気軽に楽しめるようになって喜んでいる。また、店主は駅に出店している店から興味を持ち、実際に宮島に足を運んでもらえることも期待しているという。

 さらに、広島といえば直近で広島・宮島口に観光商業施設の「エット」が完成した。食を中心に16のショップやレストランを集積し、宮島はもちろん広島や瀬戸内の魅力を発信している。県などが取り組む「厳島港宮島口地区港湾整備事業」に伴い、分散していたフェリーターミナル機能を集約するとともに、これに隣接した商業施設となっており、観光客の利便性が高まったという。

 施設は、材木のまち・廿日市を想起させるナチュラルで明るい温もりのある木目調を取り入れたファサードや天井で、自然と海が調和した瀬戸内を感じる開放感があり、屋根にも広島県産の材木を使用しているといい、趣がありそうだ。以前取材に訪れてお気に入りになった、おりづるタワーがプロデュースする新業態「握手パフェ&ビール」(スイーツ、カフェ、バー)も出店していると知り、早く現場に足を運びたいものだ。

 エットは、現在、新型コロナウイルスの感染拡大防止により、臨時休業を延長しているが、早く収束し、宮島の魅力を多くの人に知ってもらいたいと思う。また宮島エリアをプライベートで訪れたい。
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