商業施設新聞
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No.822

換気の心配がない屋外型焼肉店


北田啓貴

2021/9/7

 新型コロナの感染拡大が収まりそうにない中で、より徹底した感染症対策が求められるようになってきている。仕事においては在宅勤務、出社した際には小まめな手指の消毒、飲食店に行った際には座席にアクリル板などが設置されているかどうかなど、様々なことを意識しながら生活していかなければない。

 これらのことに加えて、会社でも飲食店でも特に徹底されているのは換気だ。筆者が出社している大阪支局があるフロアにおいても、ここ1年半はドアを開けっ放しにしているオフィスも多く、日常的な光景になりつつある。電車でも、窓を開閉できるようにして、より効果的に換気できるようにしている。そして飲食店では、今年の春ぐらいから新店に取材に行くと、換気が必要なタイミングを示してくれる「二酸化炭素濃度測定器」というものを設置して、感染症対策を徹底するところも出てきた。

屋外型の焼肉店「肉欲パープル」
屋外型の焼肉店「肉欲パープル」
 新型コロナの感染拡大を抑制するために様々な換気対策が実施されている中で、大胆な取り組みをしているのは、(株)RETOWNだ。同社は7月3日に、大阪市内で運営している複合施設「TUGBOAT_TAISHO(タグボート大正)」内に常設の焼肉店「肉欲パープル」をオープンした。最大の特徴は座席がすべて屋外にあることで、雨が降れば休業だ。運営面を考えれば、かなりギャンブルといえる営業形態ではあるが、コロナ禍のある環境においては、換気の状況を気にすることなく食事を楽しめるのは、大きなメリットとなっている。

 一方で担当者いわく、この店舗の魅力は「BBQのような雰囲気の場所で本格的な焼肉を楽しめる」ことだといい、メニューは、黒毛和牛のリブロース・イチボを含む7種類の肉が楽しめる「肉欲Z(ぜっぴん)コース」(税込み5500円)とカルビやロースなど定番の肉5種類を味わえる「肉欲M(まんぞく)コース」(同4000円)の2種類のコースを提供している。

 アフターコロナを見据えつつも、コロナ禍の感染拡大が続く状況下にある顧客ニーズに対応した面白い取り組みを進めている店舗を、今後も取材していきたい。
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