商業施設新聞
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No.858

大邱スマートシティの取り組み


嚴在漢

2022/5/31

 先日、春の陽差しを浴びながら、韓国第3の都市、大邱広域市を久しぶりに訪れた。大邱の春は短いが、当日は晴天に恵まれて清々しい天気を満喫することができた。

 大邱はソウルから韓国高速鉄道(KTX)で1時間50分程度かかり、韓国東南部の内陸に位置する。慶尚北道の懐かしい訛りが色濃い大邱は、近代化の波がいち早く押し寄せて繊維産業が盛んになった街でもあった。だが、2000年以降は繊維産業の衰退を受けて、再生可能エネルギーや炭素繊維などといった新しい産業への取り組みが活発になっている。

 現在、大邱では新しい街作りの青写真を大々的にアピールしている。韓国政府は都市問題を解決するため、ビッグデータを基盤としたスマートシティの選定を開始した。国土交通省が2022年から毎年4カ所ずつ、25年までに総数16カ所を選定し、当該都市に3年間で最大240億ウォン(約24.5億円)を支援する計画だ。

 韓国地方自治体のうち、一番早い時期からスマートシティ化に取り組んできた大邱市では、スマートシティ化に積極的だ。都市空間の構造をリデザインし、都市サービスのスマート化を促すほか、都市をベースにした企業の成長と活動をサポートすることにより、地域経済の活性化と地域の職場創出を模索している。

 大邱市スマートシティ政策を総括するセンター長の金賢徳(キム・ヒョンドク)慶北大学電子工学部教授は「サスティナブルな都市発展のためのスマート都市計画の樹立を通して、大邱スマートシティの長期マスタープランを立てて、スマートシティ・サービスの拡張や産業活性化を体系的に推し進める」とし、「スマートシティの研究開発事業およびテストベッドの成功的な運営とともに大邱全域に拡大し、世界的なスマートシティの模範創出のための専門性を持つコントロールタワーの役割を担う」と、スマートシティセンターの役割を説明する。

大邱市全域700kmの光通信網
大邱市全域700kmの光通信網
 大邱市は、情報通信技術(ICT)や人工知能(AI)などを活用し、交通渋滞や公害、犯罪などの都市問題の解決および市民に便利かつ経済的な恩恵を提供する未来型都市を目指す。そのために、スマートシティに向けた基本的なインフラ整備を進めており、第1段階として17~20年にかけて大邱市全域約700kmの光通信網を整備。21年からは第2段階として200km分を追加で進めている。また、無線通信網を通じたモニタリング遠隔検診システムは24年に完成する計画だ。さらに、22年初頭に完成したデータハブの高度化作業も進めている。

 また大邱市のAI基盤によるスマート交通体系の構築については、21年から23年にかけて大邱市一帯250カ所余りの交差点の情報収集のためのCCTVインフラをはじめ、プラットフォームの構築やアルゴリズムの開発などを行う。AIがリアルタイムで交通システムを管理することにより、交通の所要時間は従来に比べて10~15%短縮できるという。
 大邱市の将来について、金教授は「大邱市は、来る2030年代には先端産業を駆使した職場や生活、医療におけるスマート化を通じて、さらなるビューティフル・ライフを描いている」「また、スマートシティと連携したライフケアサービスの開発や実証を通したコミュニティケアシステムを拡大するなどし、世界10大スマートシティ入りを目指す」と期待を膨らませている。
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