タムス（tums：桐和会ユニバーサル・メデイカル・サービス）グループの（医）社団城東桐和会は、グループ6番目となるタムス瑞江病院（東京都江戸川区南篠崎町3-25-13、Tel.03-5879-7821）を2月1日に新規開院した。

　同病院は都営新宿線の瑞江駅南口から徒歩4分、京成バスの南篠崎3丁目からは徒歩1分の距離に立地。施設規模は、5階建て延べ約3000m²で、1階は総合受付、診察室1～4、内視鏡室、CT室、XP・X-TV室、MRI室、ER（救急処置室）、2階は病棟（201～211）、3階も病棟（302～311）、4階はリハビリテーションルーム、手術室2室、介護浴室、調理室となっている。5階は病院管理部門と会議室。20年に新病院開設の協議や構想を開始し、21年10月に建設工事を開始した。設計はRIA、施工はフジタ。

　1階のCT室は64列のCT装置（GE社製）、MRI室は1.5テスラのMRI装置（GE社製）、内視鏡処置室はオリンパス社製の内視鏡を備えている。XP・X-TV室は、X線撮影、X線透視などの画像診断装置を装備。これらの撮影結果を迅速に診断するため、タムスグループ内のネットワークを活用した遠隔読影ができる体制を築いている。診察室は、医師の椅子の座面が黄緑色、患者の椅子の座面は水色で明るい色を採用している。4つの診察室は、背後の廊下でつながり、医療従事者が往来できる構造になっている。ERは、救急車から迅速に搬送可能な位置に配置している。


　2階病棟は201号～211号の11室を、3階病棟は302号～311号の10室を備えている。種類は個室、2人部屋、3人部屋、4人部屋のほか、感染症対応陰圧装置を設置した1床室がある。ベッドはパラマウントベッド社製で、低床ベッドも備えている。病棟の窓からは、隣接するゴルフ練習場の緑、風景を眺めることができ、入院患者の目の保養となり、また、回復と退院意欲の向上に一役買う。同練習場と反対側には住宅地・保育園が隣接している。また3階には休憩室があり、16座席とテーブル、大型テレビが設置され、患者向けイベント開催にも活用できる。


　4階のリハビリテーションルームはテラスを備え、広く明るい空間になっている。6人のスタッフのうち3～5人が勤務できる体制を想定し、ベッドは3台を備え、さらに1台を追加できる余地がある。ここでは昇降訓練用の階段台、手すり、歩行補助具を使って移動訓練を行え、ペダル式トレーニング機では、脈拍数、消費カロリーなども測定して健康管理できる。さらに超音波治療器、低周波電気治療器、動画による動作指導システムなどの先端機器をも装備。自身の回復具合を確認できる縦長の大鏡も設置している。

　手術室は2室を備え、外科および整形外科の手術を行う。照明はLED発光で高輝度。

　タムス瑞江病院は、急性期一般病棟15床、地域包括ケア病棟45床の合計60床を備える。急性期一般病棟は、主に高齢者特有の疾患の治療と回復を目指した病棟。救急患者の受け入れや整形外科の手術（股関節、膝関節、脊椎など）や外科的手術や処置が必要な患者を受け入れ、術前・術後の管理を含め、多職種で連携してチーム医療を提供する。地域包括ケア病棟は、在宅療養中の体調不良時の治療や急性期治療後のリハビリテーションなど、在宅生活を支える医療を提供する。利用者が住み慣れた瑞江・篠崎地域で最期まで自分らしく暮らすことができるように、病院内に加えて地域の医療機関や家族と連携しながら、患者に応じたケアでADL（日常生活動作）、QOL（生活と人生の質）の改善を目指し、医療と介護で支援する。診療科は整外、内、外、麻酔、リハビリテーションに加えて、4月から循環器科の開設を予定。

　同病院を新設した背景として、東京都区東部の2次医療圏からは、他の医療圏に急性期疾患の患者が流出傾向になっていることが挙げられ、タムスグループは2次医療圏内の受け皿として東京都区東部に少しでも貢献できる病院を作りたいと考え、タムス瑞江病院を開設した。また、タムスグループの施設・クリニックの利用者・患者の入院先として急性期の窓口を新設することで、これまで他院の利用を検討する以外に手段がなかった同グループの手薄な部分を補強し、グループ内地域包括ケアを構築したいとの考えで同病院を開設した。