商業施設新聞
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No.428

コンパクトな街づくりが到来


松山 悟

2013/10/8

「ゆめタウン大江」の記者発表会。中央が山西泰明(株)イズミ代表取締役社長
「ゆめタウン大江」の記者発表会。
中央が山西泰明(株)イズミ代表取締役社長
 9月14日に熊本に行ってきた。
 総合スーパーや食品スーパーを展開する(株)イズミ(広島市)が、新規出店計画2件の起工式を挙行し、それに併せて記者発表会を開いたためだ。計画内容は本紙で既報のとおりだが、この2件は、熊本市中央区のJT跡地に出店する「(仮称)ゆめタウン大江」と、宇城市の松橋SCフレンド跡に出店する「(仮称)ゆめマート松橋」である。このうち「ゆめタウン大江」の計画が今後のまちづくりのヒントになると感じたので、ここで改めて紹介したい。

コンパクトシティの核施設となる「ゆめタウン大江」の建設予定地
コンパクトシティの核施設となる
「ゆめタウン大江」の建設予定地
 ゆめタウン大江が出店するJT熊本工場跡地は約7万3000m²あり、イズミはこのうちの約1万9000m²(熊本市中央区大江3-6-25)を使って、S造り平屋建て1万500m²の建屋を建設する。店舗面積は約7100m²で、テナント数は約35店。店内には、直営の食品スーパーを中心にファッション・生活雑貨などの物販機能をコンパクトに集約し、普段の生活に便利な総合スーパーを形成する。学生が気軽に立ち寄れるカフェやスイーツなどの飲食機能を備えたゾーンも整備する予定だ。駐車場は約450台を収容する。

 従来同社は、店舗面積1万m²クラスの商業施設にしか「ゆめタウン」の名称を使わなかった。しかし、JT跡地全体をみると、家電専門店の「(仮称)ケーズデンキ熊本大江」(店舗面積5963m²)の出店計画や、肥後銀行のような金融機関の支店建設のほか、くまもと森都総合病院(病床199床)と高野病院(同166床)の移転計画まである。さらに、マンション、飲食レストランなどの機能集積も見込まれている。

 イズミの代表取締役社長、山西泰明氏が記者会見の席上で明らかにしたところでは、同社はJT熊本工場跡地の街づくりを主導してきた経緯や、計画地が市街地にあり、周囲1.5km商圏人口が約7万人の好立地である点から、当初考えていた「ゆめマート」の名称を、具体化を前にして「ゆめタウン」に変更した。また、山西社長は今回の開発は将来的に拡張していくような大規模開発ではない、10~20年先の人口減を見据えたコンパクトなまちづくりだと言い切った。
 このイズミの案件に限らず、最近の取材では、全体的な街づくりのプランニングをしながら、自分のところの商業施設をどう組み入れるか、どう活かすかが重要だという声がよく聞かれるようになった。街全体に魅力がないと人が集まらなくなってきているのかも知れない。これからの商業施設は店舗単位ではなく、街をブロック単位で考える、コンパクトな街づくりの時代が到来したように思う。
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