商業施設新聞
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第397回

三菱地所プロパティマネジメント(株) MARK IS みなとみらい館長 菊田徳昭氏


開業10周年で大規模改装が進む
食品階を一新、シネコン導入も

2023/9/12

三菱地所プロパティマネジメント(株) MARK IS みなとみらい館長 菊田徳昭氏
 商業施設、大型オフィス、高級ホテル、アリーナなどが建ち並ぶ横浜市のみなとみらい21。様々な商業施設がある中、最大規模を誇るのが「MARK IS みなとみらい」だ。コロナ禍から順調に回復している中、食品スーパーの入れ替え、シネコンの新規導入など大胆な改装に打って出た。改装の狙い、直近の動向などを三菱地所プロパティマネジメント(株)MARK IS みなとみらい館長の菊田徳昭氏に聞いた。

―― 直近の状況から伺います。
 菊田 2013年6月に開業以来、毎年堅調に売上高を伸ばし、18年度は約259億円、来館客数は約1445万人を記録した。コロナで19年度は落ち込んだが、22年度はかなり回復し、売上高は約230億円、来館者数は約1155万人まで戻った。18年度には及ばなかったが、改装により食品フロアと5、6階のアミューズメント施設など営業面積の18%以上を閉鎖している状態のため、健闘したのではないか。

―― 改めて幅広いMDです。
 菊田 MARK ISはみなとみらい駅直結の利便性もあり、ターゲットは幅広い。店舗数は約175店で、業種は家電、おもちゃ、ファッション、アウトドア、飲食、スーパーマーケットなどを備える。ファッションで見ても、「ユニクロ」や「ビームス」まであり、いわゆるファーストラインのビームスに加え、「ビーミング ライフストア by ビームス」も出店しており、幅広い年齢、嗜好の方が楽しめる。平日と土日で来館者が異なるのも特徴で、平日は足元住民やオフィスワーカーなどが多いが、土日は観光客や買い物客などが多い。一方で顧客シェアが高い店舗も多く、売り上げの約45%が「みなとみらいポイント」会員によるもの。

―― 大規模改装を実施しています。
「フードウェイ」を導入するなどして賑わう食品フロア
「フードウェイ」を導入するなどして賑わう食品フロア
 菊田 開業10周年の節目を迎えたこともあって改装を進めている。目玉の一つとして地下1階の食品フロアを全面的に改装し、6月21日にオープンした。在宅勤務などで家にいる時間が増え、食への需要が高まり、SCとして来店頻度、購買頻度を高めるために食の強化は必要不可欠だと感じていた。MARK ISは駅直結のため街に来た方に立ち寄っていただけるというチャンスもある。そこで食品スーパーの売り場を1.9倍にし、「フードウェイ」を新たに誘致した。色々なスーパーを調査したが、フードウェイは生鮮三品が非常に強かった。以前は観光客も意識したMDだったが、足元の居住者がおり、周辺を見渡せばオフィスワーカーによるランチ需要や帰宅前の内食需要もある。そこでワインコーナーやチーズコーナー、「カルディコーヒーファーム」などにより、ワンフロアで様々な食の需要を満たせるようにした。

―― 滑り出しは。
 菊田 かなりよく、土日もしっかり数字が伸びている。観光の方などもターゲットに含めており、帰る際に惣菜や弁当などを購入していただいている。結果として開業後から7月31日(40日間)までの全館実績は前年比114%、地下1階の食品フロア実績は前年比146%となった。館全体に人が波及している。

―― 今後は、もう一つの目玉がオープンします。
 菊田 来春、5、6階にシネコンをオープンする。スクリーン数や設備は秋に発表できると思う。シネコンを後から入れるのは珍しいが、もともと5、6階はメゾネットとして天井が高いなど、シネコンに必要な条件が合致した。以前はアミューズメント系施設があった区画で、活用には色々な業種を考えたが、当施設は幅広いMDが特徴で、シネコンも客層が幅広いためマッチする。また、リピーター率が高い業種のため顧客シェアが高い当施設にマッチする。さらに映画目的に来た方は買い回りが多いとされている。映画は車で見に行く方も多いと言われているが、MARK ISは併設している900台分の駐車場に加え提携駐車場があり、ICもすぐ近くにある。様々なもの買って、食事をして帰っていただきたい。

―― みなとみらいという街をどう評価しますか。
 菊田 働いていて非日常を感じられる。目の前に海があって開放的で、遊園地もあり、国内外の幅広いランクのホテルができており、アリーナやプラネタリウムもできて、水族館ができる計画もある。オフィスも多く、神奈川大学のキャンパスも開設し、色々な人が集まる。みなとみらいのような街はなかなかないだろう。
 施設として、みなとみらいらしさをすごく重視している。MARK ISは駅直結だが駅ビルではないし、郊外のRSCとも少し違う。街の魅力を高めるための心地いい空間、この街に必要な機能にこだわっており、当施設を通じて「みなとみらいっていいよね」と思っていただくことが大事だと思う。

―― 今後の方向性について教えていただけますか。
 菊田 当施設のことでは、みなとみらいポイントのアプリを活用していきたい。会員約24万人のうち、約66%がアプリ会員のため館内に設置したビーコンなど活用して、導線分析、前後にどの店舗を訪れたかなどを分析し、今後、施設づくりやテナントへのフィードバックに活かしたい。
 街全体では運営にいっそう力を入れてきたい。みなとみらいは全体の約96%まで開発が進み、新たな開発余地は限られている。今後は既存施設をどう生かすかなど街としての運営が重要になる。当施設でも様々なイベントをしているが、街としての取り組みも必要。例えば周辺の商業施設や企業などが協業して『みなとみらいLOVEWalker』という冊子を発行したり、年間を通じて集客イベントも開催し、冬には横浜駅から続くイルミネーションを開催している。こうした取り組みで街全体の賑わいを作っていくことが求められる。

(聞き手・編集長 高橋直也)
商業施設新聞2510号(2023年8月29日)(2面)

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