商業施設新聞
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No.437

千葉県湾岸部で大型モールの開業が相次ぐ


登坂 嘉和

2013/12/10

アリオ市原のサンシャインコートから
アリオ市原のサンシャインコートから
 2013年も師走となり、年末商戦を見据えた大型商業施設の開業が相次いでいる。こうした中、特に注目されるのが千葉県の東京湾岸地区だ。12月20日には国内最大級のSCモール「イオンモール幕張新都心」がグランドオープンする。これに合わせて11月には、ららぽーと東京ベイの西館が改築オープンした。ここの東館はブランドショップを集積したファッショナブルなショッピングゾーンを形成しているが、西館は生活密着型の店舗が集められ、一寸の贅沢と日常で対抗する。さらに千葉市稲毛区で近隣型商業施設(NSC)の「イオンタウン稲毛長沼」が、市原市ではイトーヨーカ堂の「アリオ市原」がグランドオープンした。

 千葉県湾岸地区は、神奈川県川崎市と千葉県木更津市を結ぶ東京湾アクアラインにより東京湾奥で自動車専用道路の環状線・サーキットが形成された。このうち千葉市湾岸地域では、南下する館山自動車道と圏央道、北東に延びる東関東自動車道などが放射状に延び広域商圏を形成している。その中心となるのがイオンモール幕張新都心だ。この周辺には三井アウトレットパーク幕張や、コストコホールセール幕張倉庫店、さらに西側にはハイパーモールメルクス新習志野、イケア船橋店、ららぽーと東京ベイなどが集積している。

ららぽーと東京ベイの西館
ららぽーと東京ベイの西館
 先日、ららぽーと東京ベイ西館とアリオ市原の内覧会に参加した。ららぽーと東京ベイは1981年に開業し、現在「Next Stage」計画で3段階に分けてリニューアル事業を推進している。第1弾が西館の建て替えで、旧西館はそごうが核テナントとして百貨店仕様の売り場構成となっていたが、デイリーライフ「One Stop Shopping」の店舗構成に転換した。施設は3フロアの売り場約2万4000m²に52店を導入。SMの「ロピア」と「アカチャンホンポ」「トイザらス・ベビーザらス」が核店舗となり、シネマコンプレックス「TOHOシネマズ」やクリニックモールを導入。また、デイリーユースの惣菜・スイーツ、マツモトキヨシなどのほか、雑貨のKEYUKA、ユニクロなどファッション、雑貨店も充実させた。

 三井不動産では、第2弾として14年春に南館のリニューアルで約110店を改装・移転、第3弾では14年夏に南館シネコン跡のリニューアルを実施する。近く開業するイオンモール幕張新都心との差別化を図るとともに、広域からの集客で相乗効果を狙う。これにより来館者数は2500万人プラスαで、売上高700億円を目指すという。

 一方、11月下旬に開業した「アリオ市原」は、JR京葉線蘇我駅からさらに内房線で3つ目の五井駅北側に立地する。蘇我駅近くにも「アリオ曽我」があるが、五井駅は千葉県内陸部と結ぶ小湊鉄道のターミナルでもあるため商圏としては内陸部の橋頭堡的な立地といえる。施設は敷地12万3200m²に、本館棟とオープンモールを挟んで別館棟を組み合わせた同社初の「ハイブリッドモール」となる。サーキットモール通路の約5分の3は屋内で、残る5分の2が屋外となる。核店舗はイトーヨーカドー市原店で、フードマーケット(食品売場)と、同社が推進するプライベートブランドの4核衣料品(ギャローリア、グッデイ、ケント、機能性肌着)の専門店を展開している。さらにグループのアカチャンホンポとロフトを導入、また、ユニクロなど店舗スペースを拡大したことで通常型アリオの半数にあたる68のテナントとなった。

 同店は生活密着型「NSC」の店づくりが特徴で、SC全体の年商は約130億円が目標だ。今後、暫定駐車場の商業施設開発も検討中としており、「モノからコトへ」をコンセプトとするイオン幕張新都心の開業が千葉市湾岸地区へ与える効果と影響が注目される。
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