韓国の尹錫悦(ユン・ソンニョル)大統領は、2022年5月の就任以来、2年間に8回もの日韓首脳会談を行い、日韓経済交流の方向性を議論してきました。23年3月16～17日には、韓国首脳として11年ぶりに公式訪日し、岸田首相や経団連などと会談を行いました。この時にはサムスンやSKグルーブなど20社余りの韓国財界ブレーンが随行し、日韓の最大懸案である経済交流の再開について大きな進展をみせました。これにより、半導体関連製品の輸出管理厳格化の解除やGSOMIA（日韓軍事情報包括保護協定）、ホワイト国(優遇対象国)待遇の正常化が進んでいます。

　日韓の経済協力の実践においては、半導体分野が最重要な関心事となっています。日本は半導体製造装置・材料を供給し、韓国はメモリー半導体を提供しており、両国はAI産業におけるサプライチェーンの安定化に寄与しています。さらに、サムスン電子は横浜に半導体R&Dセンターの建設を進めており、SKハイニックスは日本に半導体後工程(パッケージング)の建設を検討しているとの情報もあります。日韓の半導体コラボは、米国主導の半導体同盟国（日欧米韓台）枠組みの一環としての取り組みでもあります。

　本セミナーは、こうした日韓先端産業(半導体、FPD、バッテリー)の動向を分析、解説します。今回は、KOTRA（大韓貿易投資振興公社）日本地域本部の金三植（キム・サムシク）本部長をお招きして、日韓経済協力についてご講演いただきます。皆様のご参加をお待ちしております。