■発刊趣旨とご購入のご案内

　世界的に感染が蔓延している新型コロナウイルスの影響で、国内でも感染拡大防止の観点から、外出自粛、店舗休業や営業時間短縮がなされ、流通小売りや外食、観光産業に甚大な影響をもたらしています。さらには入国制限によりインバウンド需要が消滅し、免税売り上げや宿泊などの関連産業に大きなダメージを与えています。そして東京オリンピック・パラリンピックの開催延期は経済的損失をより深めました。
　その一方で、テレワークの普及や、都心集中から郊外の見直しと、新しい概念や生活スタイルが生まれ、「巣ごもり消費」という新たな消費スタイルが盛り上がっています。さらにインターネット通販（ＥＣ）も取扱高が拡大するなど、生活方式や消費スタイルが大きく変容し、新たな価値観が生まれています。今後、新型コロナウイルスは感染拡大・沈静を繰り返しながら徐々に収束に向かっていくものとみられ、当面はコロナと付き合う「Withコロナ」が求められるでしょう。商業施設や店舗においては、非接触やロボット活用など、新しい店づくり・商業づくりが活発になるとみられます。加えて立地も都心郊外のメリットが再認識されています。また、ECの拡大で物流センターの整備熱がより一層高まっています。
　とかく都心一極集中だった街づくりも、地方分散やコロナ禍での賑わいづくり、そしてコロナ以前から課題となっていた少子高齢化や地方衰退にいかに対峙していくかが一層求められており、そのなかにあって賑わいづくりのカギとなる商業の姿に注目が集まっています。
　今までにない新しい価値観や概念が台頭する中、商業施設計画総覧は全国の商業施設や店舗の出店動向、再開発、小売り、ホテル業界動向など、出店や開発計画を通じて、今後の商業施設や店舗、街づくりの動向や方向性を捉えることができる一冊といえます。
　本書は、2006年12月に発刊し、読者より好評を頂いている『商業施設計画総覧』の最新版となるものです。新版は5章構成とし、第1章では、20年以降にオープンする注目の商業施設や街づくりの動向について詳述しています。第2章では、流通業界の企業動向を詳細に紹介するため、19業界・186社の企業戦略に迫り、各企業の動向、方向性をレポートし、分析しています。第3章、第4章では、大型店、SC、市街地再開発ビル、商業ビル、飲食店ビル、シネコン、アミューズメント施設、スポーツクラブ、結婚式場、ホテル、物流施設など、商業施設全般の出店計画を掲載しました。第5章は、関連資料編として大規模小売店舗立地法の新設届け出状況を収録し、読者の利用の便に供するよう努めました。

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■内容構成