商業施設新聞
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第411回

森ビル(株) 営業本部 商業施設事業部 商業運営2部 虎ノ門ヒルズ商業運営室 室長 吉田誠氏


虎ノ門ヒルズ ステーションタワー、4棟目は駅前に豊かな食を集積
ワーカー、住民など幅広い利用

2023/12/19

森ビル(株) 営業本部 商業施設事業部 商業運営2部 虎ノ門ヒルズ商業運営室 室長 吉田誠氏
 森ビル(株)(東京都港区)は10月6日、東京・虎ノ門に「虎ノ門ヒルズ ステーションタワー」を開業した。東京メトロ虎ノ門ヒルズ駅直結の「T-MARKET」は幅広いジャンルの飲食店を取り揃え、物販・サービスにおいても、虎ノ門で働く・暮らす層のライフスタイルに寄り添った店舗を開業する。ステーションタワーの商業エリアについて、森ビル 商業施設事業部 虎ノ門ヒルズ商業運営室 室長の吉田誠氏に聞いた。

―― 商業エリア全体のMDコンセプトは。
 吉田 虎ノ門ヒルズ全体のコンセプトは「新しいグローバルビジネスセンター」。活発なコミュニケーションを通じて新しいアイデアやイノベーションが生まれるような施設を目指した。そのためには豊かな食を中心としたオールデイに楽しめるサードプレイスを核に据えた。

―― 地下2階のT-MARKETが象徴的です。
 吉田 緑に囲まれたダイニング席、個室、スタンディングといった自分好みに利用できる空間を用意しており、ジャンルとしても和食、中華、エスニックからブリュワリー、カウンタースイーツまで幅広く揃えた。路面で人気に火のついた店舗のオーナーにも多数出店いただいている。個性的な27店が有機的に共存する食を中心としたコミュニティを提供している。

―― 虎ノ門ヒルズ駅に直結しています。
 吉田 ステーションタワーでは「駅と街の一体開発」を行っており、駅広場の新しいあり方を探ってきた。T-MARKETは街の玄関口として、食べる、飲む、くつろぐ、働く、語り合う場所をオールデイで提供したい。

―― 飲食以外の店舗はどうですか。
 吉田 虎ノ門エリアには自分のライスタイルを大切にされている方が多い。そのため、食のみならず物販やサービスでも上質なこだわりや新しい提案が必要だ。ステーションタワーの業種構成は、飲食・食物販、物販、サービスがほぼ1対1対1となっている。
 物販では、11月24日には、T-MARKET第2弾として「中川政七商店」「BASIC&ACCENT」「ALL GOOD FLOWERS」(生花店)など飲食店以外の店舗も開業した。また、24年2月には(株)ベイクルーズによる新ブランド「SELECT by BAYCREW’S」がオープンする。衣・食・住・美を総合的に提案するほか、店内にはアートギャラリーも設ける。ファッションを軸に新たなスタイルを発信する拠点として、虎ノ門の「働く」場所というイメージを「楽しく暮らせる場所」に変えてくれるだろうと期待している。

―― サービスについては。
24年4月のオープンを予定する「CARAPPO」(イメージパース)
24年4月のオープンを予定する
「CARAPPO」(イメージパース)
 吉田 すでにオープンしている7階には、マッサージ店2店やシャンプー&ブロー専門のサロンなどが出店している。特に理容室「THE BARBER」は好評で、オープン初日から満席でファンも多い。
 4月には(株)東急スポーツによる総合ウェルビーイング施設「CARAPPO」がオープンする予定。フィットネス施設、温浴施設、サウナ、メディテーションなどを備え、身体だけでなく心もリトリートできる場を提供する。約2000m²の規模で展開するウェルネス施設は都心には少ない。近隣以外にも環状2号線からアクセスしやすい豊洲や晴海などからの来店も見込める。

―― 開業から2カ月近くが経ちますが、どのような方の利用が多いですか。
 吉田 ワーカーから近隣住民まで様々な方にご利用いただいている。T-MARKETではスーツ姿のサラリーマンの間で若い女性が角打ちしている様子も見られる。

―― 虎ノ門エリアを日常的に利用する層の来館が多いですか。
 吉田 平日と土日で少し異なる。土日は飲食店やイベントなどを目的としたお子様連れも増え、欧米系のインバウンドも多い。ただ、我々は「メイキングコミュニティ」を1つのテーマに掲げている。店舗やお客様がつながり、ともに街づくりを行っていく。特にコロナ禍以降は、都心でもコミュニティを形成して施設のファンを育むことが、商業施設のサステナブルなあり方の1つとして重要になったと感じている。

―― 虎ノ門ヒルズは4棟全棟が完成しましたが、今後の展開は。
 吉田 14年に第1号となる森タワーが開業して9年が経過し、人々のニーズや動線も変わってきた。全体のバリューアップとともに商業エリアのリニューアルも検討している。
 虎ノ門ヒルズ全体では飲食・食物販が50%を占め、残りの20%が物販、サービス(ビューティー含む)が30%となっている。そのため、物販、特にファッションはもう少しバリエーションを増やしたいと思っている。虎ノ門のライフスタイルを総合的に提案し、コミュニティを育むことで、虎ノ門ヒルズを多目的に過ごせる施設として集客していきたい。

(聞き手・新井谷千恵子記者/安田遥香記者)
商業施設新聞2525号(2023年12月12日)(2面)

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