商業施設新聞
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No.996

石破内閣の「楽しい日本」は食から


笹倉聖一

2025/3/4

 日本フードサービス協会(JF)の賀詞交歓会が1月に開かれ、石破茂内閣総理大臣をはじめ国会議員らがかけつけた。「日本の食はすばらしい、感動的だと世界から評価が高い」との讃辞や声援が送られ、外食産業界の記事を書く私としても、誇らしかった。

 石破総理は「明治時代以降の日本は、強い日本、豊かな日本を目指し、それぞれ国家、経済界が主導した。これからの日本が何を目指すべきかを考えると、『楽しい日本』を目指すことを起想する」「楽しさを感じ合えるものとして『食』があると考える。私は子供のころに食べておいしかった物の思い出があり、(それに付随して)あの頃は楽しかったと思える出来事を今でも覚えている。人間の楽しさやうれしさは食に関連してずっと残るものだと思う。JFの皆様にはその提供を今後もお願いしたい」と語った。総理はやや遅れて到着したのだが、「ラーメン文化振興議員連盟」会長としてJFの会合に参加する実績を絶やさなかったのは流石だと感心した。

敦賀・若狭の食を語る福井代表の人達(右から3人目は滝波農林水産副大臣)
敦賀・若狭の食を語る福井代表の人達(右から3人目は滝波農林水産副大臣)
 この1~2月は食に関する印象的な発表が多かった。三菱地所プロパティマネジメント(株)が運営する、新丸ビル7階の丸の内ハウスでは、北陸新幹線の福井・敦賀への延伸開業1周年を記念して、「敦賀と若狭と丸の内 つながる福井グルメフェア」を2月2日まで開催した。初日の1月14日には、滝波宏文農林水産副大臣(福井選出)、中村保博福井県副知事のほか、敦賀や小浜商工会議所会頭らが出席し、敦賀・若狭地域の食材などの魅力を存分に語っていった。期間限定メニューの試食会では、寒ブリや焼きサバ、昆布を使った料理に加え、希少品種の梅「紅映梅」を利用したアルコール飲料を味わうことができ、とてもおいしく、福井の「食」を堪能できるひとときだった。

 また、丸亀製麺は、春の新作として「甘辛しょうがダレのはみ出る豚天ぶっかけうどん」を発表した。丼からはみ出るほどの豚天がどっさり3枚、打ち立て・茹でたてのうどんに乗っている。試食をすると、甘辛いしょうがダレとクリーミーなタルタルマヨが豚天と抜群の相性で、打ち立てうどんをからめることで、箸が止まらぬおいしさだった。

 こうした美味しい話もある一方で、物価高騰による値上げが進み、外食離れが起きないかが懸念される。以前と比べると消費者は値上げに対して寛容になってきたように思えるが、今後はどうなるか。財布の紐が固くなる中、思わず買ってしまうにはやはり美味しいものが求められる。日本の外食および食関連産業の2025年の活躍を期待する。
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