深セン市商務局、深セン市投資促進局主催による「2025 深セン市グローバル投資促進プロモーション大会 日本分会」が、11月12日に東京都内のホテルで開催された。深セン市駐日経済貿易代表事務所主席代表の池昌徳氏がビデオ出演で深セン市のビジネス環境について紹介し、日本企業の投資を広く呼びかけた。
深セン市は2025年に中国初の経済特区設立45周年を迎えた。「フォーチュン・グローバル500」企業のうち、310社以上を誘致しており、24年の深セン市のGDPは3兆6800億元に達し、成長率は5.8%、企業総数は440.4万社になり、企業密度は9年連続で中国首位を維持している。また、25年上期にはGDP1兆8300億元、成長率5.1%を達成している。
深セン市は、中国で初めて都市単位で国家自主イノベーションモデル地区となり、深センからは、ファーウェイ、ZTE、テンセント、BYD、DJIなどのハイテク企業が生まれている。
日本と深センの結びつきも深く、24年の深センの対日貿易額は264億ドルに達し、前年に比べ16.4%増加。24年末時点で、日本企業の深センへの進出数は1171社、累計投資額は38億ドルを超えている。一方、日本に拠点を設立した深セン企業は136社、累計投資総額は4億3000万ドルに上っている。
池氏は「日本が先進製造業、バイオ医薬、新素材、新エネルギーなどの分野で高い競争力を有し、深センは産業支援体制の整備、人材・資本・イノベーション・市場の各面で日本企業との補完関係を築くことができる」と説明し、「未来に投資してWin-Winの関係を構築しましょう」と締めくくった。
その後の講演ではまず、(株)三井物産戦略研究所の研究員の藤代康一氏が深センのロボット産業やAIの最前線の状況を紹介した。
次に、(株)リンクジャパンのCEOの河千泰進一氏が同社の概要や深センでのビジネス状況などについて説明した。同社は14年に設立。AIとIoTで住宅のすべてをつなぎスマートライフを実現することを目指している。ソフトは自社で製作しているが、ハードウエアに関しては、サプライヤーの再効率化で深センに集約しており、効率を大幅にアップしたという。
続いて、Inster360Japan(株)ビジネスデベロップマネージャーの高見悠氏が同社の概要などについて説明した。同社は15年に深センで設立。360度カメラでは6年連続でトップシェアを有している。23年には中国の人工衛星に同社の360度カメラが搭載された。社員は3000人以上で、平均年齢は29歳、創業者も現在34歳と若い企業となっている。同社では360度カメラだけでなく、ドローンの開発にも乗り出している。
卓建設外国法事務弁護士事務所の尹秀鍾氏が深セン弁護士会の一員として説明。日本企業が絡んだ事例なども紹介した。
最後に順豊エクスプレス(株)の副社長の邵笑氏が同社の概要などについて説明した。同社は1993年設立の物流会社で、中国で第1位、世界4位の地位にある。120機の飛行機を所有し、自社で建設した倉庫は3万m²を超えている。日本の業務はローカルパートナーと協力して進めている、通関のサービス、日本現地での配送なども請け負っており、また日本から世界への配送もフルサービスで対応できる。日本では3機の飛行機を運用しており、今後4機を定期運航する計画だ。