電子デバイス産業新聞(旧半導体産業新聞)
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第686回

NOVOSENSE Microelectronics CEO 王升楊氏


中国の車載アナログでトップ
実績武器に日本で事業拡大

2026/7/17

NOVOSENSE Microelectronics CEO 王升楊氏
 中国のアナログ半導体メーカー、NOVOSENSE Microelectronicsは、車載半導体市場で躍進を続けている。中国の電動車(xEV)市場での豊富な実績を武器に、日本や欧州など中国外での事業拡大に向けて積極的に取り組んでいる。NOVOSENSEの創業者兼代表取締役会長兼CEOの王升楊氏に車載ソリューションの開発や、日本市場における取り組みなどについて話を聞いた。

―― 貴社の概要からお聞かせ下さい。
 王 当社は2013年に中国の蘇州で設立された、ファブレスのアナログおよびミックスドシグナル半導体メーカーだ。産業向けを主力に、近年は車載に力を入れている。過去5年間に投じたリソースの約70%が車載向けであり、中国の車載アナログIC市場で中国メーカーとしてトップの地位を確立した。

―― 車載半導体のラインアップについて。
 王 当社は、ASIL Dに対応した機能安全製品やAEC-Q100認証取得済みの車載向け製品を幅広く展開しており、日本の自動車産業が求める品質、信頼性、安全性に対する厳格な要求にも対応している。センサー、絶縁IC、ドライバー、パワーサプライ、リアルタイムマイコンなど幅広く手がけている。例えば、パワートレイン向けではトラクションインバーター向けのDC/DCシステムを一貫で展開する。ボディー向けはモータードライバーやパワーサプライ、汎用マイコンなどがある。インフォテインメント向けは、カメラ向けの高速信号伝送をオープンプロトコルで提供している。照明向けは、ヘッドランプ、リアライトなどにLEDドライバーと電源IC、インテリア向けにマイコンとLEDドライバーを一体で提供する。セーフティー向けは機能安全対応のモータードライバーや、各種センサーを手がける。このように、クルマの一貫プロバイダーとしてソリューションを提供できるのが当社の特徴だ。

―― 注力する新製品について。
 王 次世代の車載オープンプロトコル、HSMTに対応したSerDesチップセットを、日本のOEMに紹介している。ADASの高速伝送と相互接続性を兼ね備え、OEMやティア1の設計自由度向上に貢献する。また、AK2レーダートランシーバーは高信頼の自動運転を実現するものとしてティア1に紹介している。搭載するレーダー数の増大にも対応できる。全地域をカバー可能なClass D級オーディオアンプは、インフォテインメントの機能向上に貢献できるデバイスとして提案している。

―― 足元の業績について。
 王 25年12月期の売上高は約33億7000万元、円換算で約804億円となり、うち車載向けは約35%だった。25年通年の車載チップ出荷量は7.5億個超で、累計出荷量は14億個を突破した。中国の新エネルギー車市場では、当社は主要サプライヤーの1社としての地位を確立している。1台あたり約50個の当社製半導体が搭載されており、複数の車載分野で数多くの量産採用実績を有する。特にパワートレイン分野では、世界の数百社におよぶ自動車部品メーカーと協業関係を構築している。
 26年1~3月期は前年同期比で約65%増の売上高を達成した。車載向け新製品の量産採用が進んでいるほか、産業向けではAIデータセンターや太陽光発電など向けにモータードライバー、パワーサプライが好調に推移している。
 当社は29年12月期に100億元、円換算で約2400億円の目標を掲げており、それに向けて堅調に成長できているとみている。

―― 中国外のビジネスについて。
 王 当社は22年から海外市場への展開を本格化している。日本、ドイツを中心とした欧州、韓国にフォーカスしている。なかでも日本市場は非常に重要視している。日本法人は23年初頭に設立、OEMやティア1への種まきを進めてこれから刈り取りを目指しているところだ。フィールドエンジニアやセールスなどを中心とした現地体制を整備し、顧客に密着した迅速かつ専門的なサポートを提供している。また、上海にある開発拠点からスピーディーに対応できる体制も構築しており、それが大きな強みだ。

―― 日本ビジネスの今後の方向性、顧客へのメッセージを。
 王 日本法人設立以降、3年にわたり日本の展示会に出展してティア1やOEMとの関係を構築してきた。そのなかで、日本の顧客の品質や長期供給に対するニーズの強さを理解した。長期的なパートナーシップを作るための投資を継続していきたい。
 また、当社は中国のxEV市場で豊富な経験を持ち、世界のクルマ市場で求められているイノベーションが見えている。日本の自動車業界が直面する急激な変化に対し、当社は全面的にサポートすることができる。中国のスピード感と日本の高品質を組み合わせ、顧客の事業拡大に貢献していきたい。



(聞き手・副編集長 中村剛)
本紙2026年7月16日号2面 掲載

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