商業施設新聞
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第539回

よーじやグループ 代表取締役 國枝昂氏


大都市圏で展開、新業態も構想
10そばは3年間で関西10店へ

2026/9/15

よーじやグループ 代表取締役 國枝昂氏
 「あぶらとり紙」を中心に化粧品・雑貨店「よーじや」を展開してきたよーじやグループ(京都市下京区)が、物販店の非観光地への展開を進めるなど、脱・観光依存に向けた取り組みを本格化している。2025年のリブランディングを機に、新業態の出店も構想。飲食店はカフェの再構築や蕎麦店の店舗展開を加速する考えだ。よーじやグループを率いる代表取締役の國枝昂氏に話を聞いた。

―― 貴社は京都市内を中心に店舗を設けています。
 國枝 物販店は「よーじや」の屋号で20店を展開し、京都で10店、それ以外の都道府県で10店を運営する。当初、よーじやは京都の嵐山や清水などの観光地を中心に店舗を構えていたが、09年ごろから売り上げが減少傾向となり、コロナ禍で大きな打撃を受けた。このコロナ禍を契機に、京都の生活圏に店舗を設ける必要性を感じ、「ジェイアール京都伊勢丹店」(京都市下京区)や「四条河原町店」(京都市下京区)を出店した。
 京都の観光地ではインバウンドの増加に伴い、地元の事業者が減り、海外事業者によるインバウンド向けビジネスが増えた。現に「嵯峨野嵐山店」(京都市右京区)と「天神地下街店」(福岡市中央区)の売上規模は同等であり、京都の観光地に立地するから売れるわけではない。よーじやはコロナ前も売り上げベースで日本人対外国人の比率が6対4、来客ベースでも日本人が多かったことから、地元住民がよく訪れる百貨店や商業施設への出店を進めている。

祇園本店に次ぐクラスの規模で出店した「よーじや 天神地下街店」
―― よーじやの店舗フォーマットについて。
 國枝 店舗面積は15~20坪を目安とし、25年11月に開店した天神地下街店は店舗面積が22坪と、当社最大の「よーじや 祇園本店」(京都市東山区)に次ぐクラスの規模で出店した。当初、店舗面積は10坪程度があれば十分だと思っていたが、今後は20坪まで広げていきたい。
 その一方で、25年10月にリニューアルオープンした「京都駅八条口店」(京都市下京区)は店舗面積が3坪に満たない小型店だが、販売形態をカウンター越しの接客販売から、来店客が自由に商品を手に取って見ることができる回遊販売に変更したことで売り上げが2倍に増えた。同店の経験から、たとえ店舗面積が3坪でも、売り上げを伸ばすことはできると感じた。出店立地は引き続き百貨店や商業施設を対象とし、とりわけ京都駅周辺は機会があれば出店したい。

―― 改めて、よーじやの特徴とは。
 國枝 あぶらとり紙を含め、“京都のお土産が手に入る店舗”として定着しており、お客様が店舗の敷居をまたいだ時に、良い商品が購入できるという安心感を与えているのも強みだ。意外に思われるかもしれないが、某百貨店の化粧品フロアでは、当社の化粧品が一番お手ごろな価格となる。ハイブランドでもなく、プチブランドでもない、その間を埋めるポジションをよーじやは確立している。

―― 様々な飲食店も手がけています。
 國枝 物販店に併設する「よーじやのカフェ」や本格的な十割そばを提供する「十割蕎麦専門店 10そば」のほか、京都の生産者の思いや地域の魅力を届ける「26(にーろく)ダイニング」を運営している。その中でも、10そばは22年に1号店を開店し、現在は3店を営業しているが、券売機の導入などで収益は徐々に改善し、直近でようやく黒字化を果たした。10そばは「本町店」(大阪市中央区)や「COCON KARASUMA店」(京都市下京区)など、オフィス街に出店することが多く、売り上げは平日の昼間に集中し、土日祝日は客数が少ない現状だが、当面はオフィスワーカーをターゲットとした出店を検討している。家族連れの取り込みが難しいため、出店立地は商業施設内よりも路面店のほうが良いと考えている。
 よーじやのカフェは、手鏡に映る女性をデザインした顔パフェや顔カプチーノなどを提供しているが、脱・観光依存が実現できていないため、今後は四条河原町店のようにカフェ併設物販店として出店していく。26(にーろく)ダイニングは10そばの二毛作店として運営する「COCON KARASUMA店」(京都市下京区)と「京都市役所 ててまち店」(京都市中京区)の2店を営業する。地元京都の食材を料理に使うことで、京都に貢献できる企業を体現していくコンセプトショップの意味合いが強く、増やすことは考えていない。

―― 当面の課題や今後の店舗展開について。
 國枝 25年に「おみやげの店」から「おなじみの店」へリブランディングを実施したが、まだあぶらとり紙=観光地のイメージが根強く残っているため、百貨店や商業施設といった販路を増やし、新たなイメージを定着させることが必要だ。
 よーじやの店舗展開は大都市圏を出店対象とし、物販店単体でなく、カフェ併設物販店も増やしたい。そして27年以降はよーじやに次ぐ物販店として、新業態の店舗展開も構想している。一方、飲食店は10そばを中心に店舗展開を加速させ、今後3年間で関西エリアに10店体制を構築する計画だ。物販店も、飲食店も、よーじやらしさを前面に押し出せるように頑張っていきたい。



(聞き手・副編集長 岡田光)
商業施設新聞2656号(2026年7月28日)(6面)
 ズームアップ!注目企業インタビュー

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