商業施設新聞
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第546回

(株)ライフスタイルイノベーション 代表取締役社長 木津英之氏


212キッチンストア
こだわりのキッチン雑貨店を展開
客数、客単価ともに堅調に成長中

2026/11/2

(株)ライフスタイルイノベーション 代表取締役社長 木津英之氏
 ワールドグループの(株)ライフスタイルイノベーションが展開する「212 KITCHEN STORE(212キッチンストア)」が業績を伸ばしている。こだわりのキッチン雑貨などをぎゅっと集積することで訪れること自体が楽しい店となっており、2024年度からほぼすべての月で既存店の客数、客単価が前年を超えている。同社代表取締役社長の木津英之氏に話を聞くと、来店客だけではなくメーカーにも喜んでもらい、キッチン業界全体を盛り上げようとする姿勢が見えてくる。同氏に店舗の動向などを聞いた。

好調な212 KITCHEN STORE
好調な212 KITCHEN STORE
―― ブランドの概要を。
 木津 キッチン雑貨の専門店として現在77店を展開しており、今年25周年を迎える。店名の212はニューヨークの市外局番に由来し、世界から高品質な商品が集まることをイメージしたものだ。コンセプトは「世界で一番素敵なレストラン、それは我が家の食卓」。例えばフライパン一つとってもプレスをしないで作ることで油が端に寄らないもの、包丁でも仕上げを人の手で行うものなど、高品質なもの、心の豊かさにつながるものが揃っている。商品は「作る」「食べる」「片づける」というカテゴリーに分け、作るは調理器具など、食べるはお箸や食器など食卓を囲むもの、片づけるはタッパーなど収納用品や掃除関連のもので構成する。

―― 店舗の規模や出店立地は。
 木津 店舗のサイズは30~50坪程度で、明るく清潔な店内とし、商品をぎゅっと集めている。広域商圏の店舗であり、土日に多くの人が訪れるような商業施設に出店し、郊外ではイオンモール、ららぽーとなど、都心では東京のニュウマン高輪、地方では札幌駅ビルの札幌ステラプレイスなどに店舗がある。イメージとしてはゆっくりと時間が流れているような場所。店内で上質なフライパン、食器などをゆっくり見ていただきたく、他のライフスタイルショップなどと比較購買ができるような場所が良い。

―― 比較購買でいうと、価格に強みを持つ競合もあります。
 木津 実際、値段だけでいうと、212キッチンストアより安いところはある。ただ我々が目指しているのは価格ではなく、商品の良さ。一つひとつ、すごくこだわりがあり、商品の良さを伝えていきたい。実際、こうした商品の良さを評価していただき、24年度からほぼすべての月で客数、客単価ともに伸び、今年3~8月の既存店売上高は累計で110%近くとなった。滞留在庫はなく、セールをほとんどしないことが業績につながっている。

―― 確かに商品を見るだけでも楽しい店に仕上がっています。
 木津 本当に色々な工夫やこだわりが詰まった商品があるし、お店に来るだけで楽しいと思っていただきたい。初見では何に使うんだろう、という商品もあるのだが、これが結構大事なポイントで、売れる商品だけを揃えると店に来ても面白味がなくなる。この業態はそれじゃだめだと思っている。お店に来ていただいて、ここって楽しいなと感じていただくことを商品や店づくりの基準にしている。

―― 店を見るとPBは少なめですが、狙いは。
 木津 商品構成は8割以上がセレクトになる。PBを作ると利益は出やすいが、それよりも良い商品をお届けしたい。自分たちだけで専業メーカーより良いものをつくることは難しいし、世の中には一生懸命良いものを作っているメーカーの方々がいて、そうした方々にも喜んでいただきたい。業界の皆さんといかに利益をシェアするかを重視している。

―― 他のキッチン雑貨店と比べても個性的なブランドです。
 木津 実はキッチン雑貨の専門店はほぼない。インテリアなど色々なものを販売しており、その一つとしてキッチン雑貨もやっています、という店がほとんど。裏を返せば難しさがあるからで、実際フライパンを毎日買うという人は基本的にいないだろう。それでも好調なのはやはりお客様、メーカー、双方に喜んでもらえることをしようという方向性が大きい。喜んでもらうためなので、本部スタッフは自走して色々な企画や提案を出してくれるし、店舗のスタッフもすごく商品に詳しくなってくれる。バイヤーもこだわりの商品を見つけてくれて、その結果、お客様が店に足を運ぶことが楽しくなる。過去に厳しい時代もあったが、事業の方向性が定まったことで大きく雰囲気が変わった。やはりお店に来るお客様、メーカーを含めて業界全体の人に喜んでいただくのが212キッチンストアの軸だと思う。

―― さらなる成長に向けた取り組みは。
 木津 大量出店というより、厳選して出店する形になると思う。出店の際は雑貨を買い回りできるフロアだと来館者にも、デベロッパーにも良いだろう。また、あくまで構想だが、BtoBtoCをできないかと考えている。新しい販路で我々が仕入れた商品を展開できればブランド自体のプロモーション効果もあると思っている。212キッチンストアはまだまだ認知度は伸びしろがあり、いかに多くの人に知っていただくかが大事。先ほどスタッフが自走してくれていることに触れたが、認知度拡大に向けて私はブランドの方向性を示し、取り組みのきっかけづくりのみ。あとはスタッフが真剣に考え、議論の場を作ってくれている。会社一丸で色々なアイディアを出していきたい。



(聞き手・編集長 高橋直也)
商業施設新聞2663号(2026年9月15日)(5面)
 ズームアップ!注目企業インタビュー

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