商業施設新聞
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第38回

(株)モミアンドトイ・エンターテイメント 取締役社長 川上統一氏


クレープ専門店を57店展開
独自の食感で他社と差別化
16年秋に新業態投入

2016/8/2

(株)モミアンドトイ・エンターテイメント 取締役社長 川上統一氏
 繁華街や行楽地での食べ歩きの定番スイーツである「クレープ」。中高生のためのスイーツというイメージが強く、商品も平べったく紙巻きの“日式”タイプが主流となっていたが、2005年に創業した「MOMI&TOY'S」の看板商品「とろけるクレープ」がクレープ業界に風穴を開けた。新しい味わいとビジュアルで、「MOMI&TOY'S」は全国のSCや商業施設を中心に出店を重ね、瞬く間に業界第2位のポジションまで成長した。16年には新業態を立ち上げ、既存業態もターニングポイントを迎える。今後の戦略について、(株)モミアンドトイ・エンターテイメント(東京都品川区西五反田1-3-8、Tel.03-5436-8830)の取締役社長 川上統一氏にお話を伺った。

―― 概要から。
 川上 05年に東京・吉祥寺に1号店を出店したのを皮切りに、首都圏や関西圏で展開を進め、現在は全国に57店を構える。これまでのクレープの常識を覆す「とろけるクレープ」で差別化を図り、これを武器に店舗数を伸ばしてきた。「とろけるクレープ」の名のとおり、“とろける”食感が一番の特徴だ。これは、生地にアーモンド粉をブレンドし、口当たりを軽くすることで実現。また、ビジュアル面もフルーツやクリームで立体的に巻き、美しさとボリューム感のあるブーケのようなビジュアルに仕上げた。価格は300~400円台で、客単価は480円と他社と比較して高めだが、品質の高さで堅実に成長してきた。

―― 立地は。
 川上 観光特性のある「ハレ立地」に出店している。クレープ店の来店動機は目的型ではないため、ただ単に通行量が多ければ良いというわけではない。「歩行速度」や「時間の有無」も関係してくるため、回遊客が多い観光スポットや商業施設が最適だ。例えば東京では浅草、お台場、大阪では梅田、心斎橋に出店してきた。現在、全国16都道府県に展開しており、圧倒的に観光立地が多い。そのため、空白エリアでも認知度が高い印象があり、スムーズな出店、集客につながっている。

―― 店舗形態について。
MOMI&TOY
MOMI&TOY'S(写真は越谷イオンレイクタウン店)
 川上 フードコートや食物販売ゾーンの「テナントタイプ」、トレーラー車両の「モバイルタイプ」、商業施設の共有エリアや休遊テナント区画内にモバイルタイプを導入した「ハイブリッドタイプ」の3形態で展開している。これが柔軟に迅速な出店を可能にしてきた。
 初期は、投資回収が容易で小型のモバイルタイプが主流だったが、現在はテナントタイプとハイブリッドタイプが多い。特に、ハイブリッドタイプは、共有スペースや入り口に設置できるため、施設の賑わい作りにも役立っている。

―― ターゲットは。
 川上 中高生の利用が多い他社と比較し、年齢層はやや高めで、コアターゲットは20代~30代前半の女性。商品は空気を入れたパッケージで包む「エアラップ」を導入することで、持ち帰りや土産需要にも対応し、全体の3割程度がこれを利用している。店舗もシックで落ち着いた雰囲気であるため、男性客も買いやすい状況を創出することで、幅広い層の利用につながっている。

―― 12年目を迎え、新業態を立ち上げます。
 川上 モミトイとは、全く異なる新業態を秋ごろに投入する。価格帯は300円をボリュームラインとし、モミトイよりもリーズナブルなブランドとなる。商品もとろける食感ではなく、サクサクした食感で新しい驚きを提供する。小麦粉をブランに置き換えることで、独特な食感を生み出す。ブランはヘルシー、健康要素も高い。生地が甘くないため、食事系のクレープのバリエーションを増やし、“クレープ=スイーツ”の概念を覆したいと思っている。形状はインパクトのあるメガホンタイプとし、とろけるクレープのようにクレープ業界に新しいムーブメントを起こしたい。

―― 挑戦ですね。
 川上 これまで1業態で戦ってきたため、得意ではない場所にも無理して出店していた感もあった。より最適な場所に出店し、店舗網を広げるための新業態だ。カジュアルブランドであるため、日常使いのできる立地を想定している。GMSやレジ周りへの出店は断っていたが、そういった立地にも対応できる。
 また、一番の特徴は、自分で生クリームをトッピングしたり、ドレッシングをかけたりできるコンディメントスペースだ。セルフでカスタムできる場所を設けることで、遊び心のある、記憶に働きかけるエンターテインメント要素の高い店舗を実現する。商業施設が求めている、「コト消費」のニーズにも応えることができる。1号店は都内に秋ごろのオープンを予定している。

―― 今後について。
 川上 第2創業期を迎えたこの数年は店舗を整理することに注力し、戦略的にリロケーションや退店も行った。結果、組織として、ブランドとしてより筋肉質になった。さらに新業態投入によって、ニーズを深掘りできるようになるため、より丁寧な出店を心がけていきたい。今年度(3月期)はすでに3店をオープンしているが、このほかに12~14店を新規出店する計画だ。今後の成長を見据えて、店舗にも人材にも積極的な投資を行っていく。

(聞き手・大塚麻衣子記者)
※商業施設新聞2149号(2016年7月15日)(8面)
 商業施設の元気テナント No.193

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