商業施設新聞
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No.636

商業施設と回転寿司


岡田 光

2017/12/19

 寿司は私の大好物である。子供のころ、初めて訪れた回転寿司店で23皿を平らげ、両親を驚かせたことがある。好き過ぎて、学生時代のバイト先に寿司店を選び、洗い場でものすごい数の寿司皿と格闘した経験もある。成人してもその気持ちは変わらず、休日にふらっと1人で出かけた時は、必ずと言っていいほど寿司店に足を運ぶ。最近は、京都駅の京都おもてなし小路にある「寿しのむさし」によく通っており、カウンター席に座って、ゆっくりと回る寿司を眺めるのが、至福の時となっている。おまけに、同店は15皿程度を平らげても、会計は2500円前後で収まるので、財布にも優しい、私のご馳走なのだ。

回転寿司の新境地を開けるか(写真はあきんどスシローの店内)
回転寿司の新境地を開けるか(写真はあきんどスシローの店内)
 そんな愛すべき寿司店を、街中ではよく見かけるが、商業施設内では見かけないことが多い。個人的な思い入れもあるが、私は商業施設内に回転寿司が増えることを強く望んでいる。それも、「大起水産」「海鮮三崎港」「金沢まいもん寿司」などの既存の出店者だけでなく、これまであまり積極的に出店してこなかった「あきんどスシロー」「無添くら寿司」「はま寿司」「かっぱ寿司」といった大手チェーンに、商業施設内へ出店するという事例を増やしてほしい。

 もちろん、容易なことではない。まず出店の障壁となるのが、店舗の広さである。例えば、最大手である(株)スシローグローバルホールディングスは、店舗面積363m²、席数196席、レーン数3レーンを標準店舗としている。店舗面積の363m²は、物販店でも飲食店でも、大型店の分類になるだろう。当然、賃料も他の区画とは違ってくる。100円台の低価格路線を貫く同社にとっては、手が出せない物件になってしまう。それなら、フードコートはどうか。基本的にフードコートで寿司を回すことは難しいが、「ラゾーナ川崎」のようにフードコートに回転寿司店を導入し成功している例もあり、一概に不可能ではないようだ。

 郊外では、徐々に回転寿司チェーンの充足感が漂い始めている。あきんどスシローは全都道府県への出店を達成し、今期は店舗数が500店を超える見通し。無添くら寿司も積極出店を進めており、今期は400店に到達すると予想している。はま寿司も500店近い店舗数を誇っており、この3店だけで、店舗数は1500店弱を数える。47都道府県で単純に割ると、1都道府県に30店超という状況だ。他社競合はもちろん、一部では自社競合が起きているという声もあり、新たな立地の開拓は必然の流れとなる。だからこそ、様々な障壁を述べたが、これらの課題を克服して、先述の4店にはもっともっと商業施設内への出店を進めてもらいたい。

 低価格帯の回転寿司チェーンが進出すれば、商業施設の飲食フロアに新たな旋風を巻き起こせるはずだ。記者として、また回転寿司愛好者として、今後も回転寿司業界を見守っていきたい。
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