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第188回

静岡ターミナル開発(株) 取締役 営業部長 岩田勝弘氏


パルシェ35周年でリニューアル
本館で50%増の集客効果

2019/7/16

静岡ターミナル開発(株) 取締役 営業部長 岩田勝弘氏
 静岡ターミナル開発(株)(静岡市葵区黒金町49、Tel.054-255-1081)は、JR静岡駅の駅ビル「パルシェ」、沼津駅で「アントレ」を運営している。パルシェは開業35周年を機に、本館と食彩館をリニューアルした。改装内容とその後の効果について、同社取締役 営業部長の岩田勝弘氏に聞いた。

―― パルシェの紹介から。
 岩田 1981年に開業した駅ビルで、今は全約140店のテナントに入居していただいている。地下1階から地上4階まではファッションと服飾雑貨を主体とし、これに加えて地上1~2階はコスメ、地下1階と地上1階にはバラエティ雑貨店を展開している。5階は書籍・生活雑貨・カルチャー、6階はレストランフロアとビューティ、7階はカルチャー・クリニック・貸会議室、屋上では夏季にビアガーデンを営業している。本館とは別に、食物販の食彩館を、1階で営業している。

―― 17年から18年にかけてリニューアルを実施した。
 岩田 35周年を迎えたのを機に、17年にまずレストラン街を除く本館6フロアを新装した。1期リニューアルとして地下1階から地上2階までを同年6月にオープン、2期は3階から5階までを同年9月にオープンした。以前は、アパレルの売り上げが振るわず、空床が多かったので、3階と4階にユニクロ、GUの大型店に入っていただき、目的性を持ったお客様が来館しやすく、わかりやすいMDにした。静岡駅前は、地下街で人の流動が多いため、地階には「PLAZA」を配置して季節感を出し、お客様が入館しやすい工夫をした。

―― 地上1階の改装も大がかりだ。
新たに設置されたエントランスゲート
新たに設置されたエントランスゲート
 岩田 1階の入り口は、VP(視覚による効果的な訴求方法)スペースとし、上階の店を紹介するなど、プレゼンテーションの場として活用している。POPアップショップを2~3週ごとに入れ替え、季節ごとにワゴンショップを展開し、集客力を強化している。これらの施策により、本館への入館者数は50%増加した。1階のコンコースからの入り口部には、新たにエントランスゲートを設置し、さらに入り口開口部を拡張することで、館へ足を踏み入れやすい空間とした。北口駅前広場に面した壁面は、ガラス面とし、館内の視認性を向上させた。

―― 食彩館は18年にリニューアルした。
 岩田 営業を続けながらの工事だったので計画を3期に分け、1期を8月、2期を10月、3期を11月末にオープンした。1期では、弁当・惣菜・スイーツゾーンを開業し好評だ。2期では、生鮮エリアとグロサリーを統合拡充し、「スルガマルシェ」ゾーンとして開業、同一レジで買い物ができ、利便性を向上した。3期では、静岡の銘菓名産12店を集積させた「シズオカミヤゲ」ゾーンを新装開業した。その中央部には、お買い上げ商品を喫食できるフードスペース「いろどりひろば」を設けている。

―― 食彩館への誘客は、工夫を施している。
 岩田 本館入り口から1階の通路を、従来の2.7m幅から4m幅に広げて人の通行量増に対応し、中央に街灯柱を設けて道路のように見せ、流れを作っている。これらの効果で、食彩館への入館者数は約30%増加した。パルシェ全体での食物販の売上比率は40%と高い。生鮮品にも力を入れており、尾頭付き魚など小料理店などの業務用にも利用いただいている。

―― 顧客層について。
 岩田 駅直結のファッションビルなので、女性比率が60~70%と多いが、書籍店などは男性客が利用している。インバウンド比率は10%に満たないが、アジア、特に中国・台湾などからのお客様が多く見受けられる。静岡空港行きのバスに乗車される途中で、ドラッグストアや免税店に寄って行ってくださる。今回のリニューアルのコンセプトは、“ふだんをもてなす。パルシェ”だ。これにより、通勤や通学など、街へ来る人にふらっと立ち寄っていただける施設になった。

―― 静岡駅周辺の消費経済環境をどうみる。
 岩田 買い物客が路上を歩き、多くの人が回遊している点でパワーがある。17年から18年にかけて多くの近隣のファッションビルや百貨店が改装し、商業施設は活気がある。さらに多くの人達に「もっと街へおいでよ」と呼びかける意味で、他社の商業施設同士でも共同販促活動を実施するのが良策と考える。人口が減少する都市で、一人勝ちはあり得ないのだから。

―― 沼津駅では、アントレを運営している。
 岩田 駅構内にある2階建ての商業施設で、食料品と雑貨の約30店で運営している。かつては、1階の食料品・雑貨、2階の衣料品売り場に大別されていたが、18年10月に改装し、ノンアパレルの施設にした。建物躯体は築後60年以上経つが、沼津駅の高架工事が検討されているため、それと同時にアントレをどのような形にするか検討することになる。きちんとした施設として収めたい。

(聞き手・笹倉聖一記者)
※商業施設新聞2299号(2019年6月18日)(1面)
 デベロッパーに聞く 次世代の商業・街づくり No.302

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