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第355回

東京エレクトロン(株) 執行役員 CTSPS BUジェネラルマネージャー  秋山啓一氏


洗浄技術の革新継続で差別化
5年以内にシェア30%狙う

2019/12/27

東京エレクトロン(株) 執行役員 CTSPS BUジェネラルマネージャー  秋山啓一氏
 東京エレクトロン(株)(東京都港区赤坂5-3-1、Tel.03-5561-7000)が発表した2019年度上期(4~9月)の全社売上高は、前年同期比26%減の5084億円となった。SPE(半導体製造装置)の一部で売り上げ前倒しがあり、FS(フィールドソリューション)も好調に推移したことで4月時点の予想を上回った。
 この上期実績と最新情報を反映し、通期業績予想を上方修正した。全社売上高は従来予想から100億円増の1兆1100億円、そのうちSPEは同50億円増の1兆350億円、売上総利益は同40億円増の4450億円を見込む。
 なお、SPE部門の新規装置売上予想では、下期に4400億円を計画。構成比率は非メモリー(ロジック、ファンドリー合計)の比率が上期から10ポイント増の63%まで伸長すると予想している。
 執行役員CTSPS BUジェネラルマネージャーの秋山啓一氏に、洗浄装置事業の事業概況、今後の成長戦略などを伺った。

―― まず19年度上期の洗浄装置事業の概況についてお聞かせ下さい。
 秋山 周知のとおり、この上期は、半導体前工程製造装置(WFE)の設備投資が減少し厳しいビジネス環境ではあったが、洗浄装置事業はおおむね計画どおりに推移した。
 メモリーのクリティカル工程で量産POR(Process of Record=顧客の半導体製造プロセスにおける装置採用の認定)を獲得するとともに、ベベル洗浄の展開が順調に推移し、中国の新規顧客から受注を獲得することができた。
 当社は、18年の洗浄装置市場でシェア25%を獲得している。5月に発表した中期経営計画では、これを5年以内に30%にまで拡大することを目標に掲げており、取り組みは着実に進んでいる。
 洗浄装置事業は、16年7月にビジネスユニットの再編により、トップシェアを持つコーター/デベロッパーと事業部を統合し、開発・生産・管理の一元化を推進している。営業活動においては、コーター/デベロッパーと洗浄装置を一部兼任するなど、統合によるシナジーも進んでいる。

―― 3月に開催されたSEMICON Chinaに合わせて枚葉洗浄装置の新製品を発表しています。
 秋山 「CELLESTA Pro SPM」は、硫酸と過水の混合薬液により洗浄・ウエットエッチングを行う装置で、レジストのアッシング残渣の除去やメタル汚染の除去、メタルエッチング、CMP後洗浄などに特化しており、今後の拡販が期待される装置となる。
 最大18チャンバーを搭載可能で、生産性は従来機の1.5倍を達成している。また、硫酸の使用量を大幅に削減できる独自の薬液リサイクル機能を搭載しており、SPM薬液コストを最大50%削減できる。現在、DRAM向けを中心にプロモーションを展開しており、20年には量産PORを獲得できるだろう。

―― 枚葉洗浄におけるベベルウエットエッチングの展開が順調です。
 秋山 ベベル洗浄はウエハー外周部の薄膜や異物を除去する工程で、緻密に制御できる当社の技術が高く評価されており、ほぼ100%のシェアを持っている。このプロセス技術は、メモリーやロジックなどのアプリケーションを問わず、ウエハー外周部分にある半導体デバイスの歩留まりを確保するキーテクノロジーとして採用が拡大しており、ベベル洗浄装置の市場は年率10%で成長していくと見ている。
 当社では、ベベル洗浄に特化したノズルからの薬液吐出手法を開発し、カット精度のよいベベル処理と薬液のスプラッシュなどによるパーティクル制御の両立を可能としている。半導体プロセスでは、EUVリソグラフィーの導入がスタートし、露光装置内の汚染を防止するため、ベベル・裏面の洗浄はさらに重要度を増すことになる。

―― 貴社が独自開発した「固相洗浄技術」の展開について。
 秋山 固相洗浄とは、液状のポリマー剤を塗布し、ウエハー上で固化したポリマーを剥離することでパターニング後の微小なパーティクルを除去する技術。お客様と相談しながら様々な工程を検討しており、20年にはPORを獲得できると期待している。

(聞き手・清水聡記者)
(本紙2019年12月26日号8面 掲載)

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