商業施設新聞
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第225回

(株)クラス 代表取締役社長 久保裕丈氏


定額制で家具をレンタル
経費4割減の宿泊施設も

2020/4/7

(株)クラス 代表取締役社長 久保裕丈氏
 (株)クラス(東京都目黒区青葉台4-6-6)は、個人や法人に家具や家電をサブスクリプション(定額制)で貸し出すベンチャー企業である。近年はホテル事業者との業務提携も推進し、収益の改善や事業拡大にも貢献しており、法人向け事業を拡大している。今後の展開について同社代表取締役社長の久保裕丈氏に話を聞いた。

―― 貴社の概要から。
 久保 2018年4月に設立し、個人と法人に対して家具や家電をサブスクリプションで貸し出している。特徴はサイト内に掲載している約400~500SKUの家具と家電を最低3カ月使用すれば、他の商品と自由に交換できることで、ライフスタイルの変化に応じた最適な家具を利用できる。料金は、テレビボードが月1650円、電子レンジ660円、冷蔵庫1320円、洗濯機1760円などで、一人暮らしの場合、6000円あれば必要な家具と家電を揃えることができる。契約者数は数千人に上り、平均2.5点ほど商品を賃借している。

―― 法人向けの動向は。
 久保 個人向けと同様に決まったSKUの範囲の中であれば交換自由で、オフィス用途などで約200社と契約している。法人向けだけの独自サービスとして、部屋のデザインに合わせたオリジナルの什器や家具を製作してレンタルするサービスも行っているほか、パッケージ商品の開発にも力を入れている。

―― パッケージ商品とは。
 久保 オフィスやホテル、民泊などに向けた数パターンの商品を用意している。
 部屋のデザイン提案から必要な家具の貸し出しまでを一括して行い、インテリアの改善による空間価値の最大化に貢献している。部屋の間取りやサイズによって変化していくため価格帯は示せないが、今後も欧米系やアジア系など利用者による採算性の違いやレイアウトやインテリアの改善による成功事例を収集し、引き続き開発に力を入れていく。

―― 宿泊事業者との業務提携を進めていますね。
Hostyが運営する宿泊施設では、クラスの家具が使用されている
Hostyが運営する宿泊施設では、
クラスの家具が使用されている
 久保 法人向けで契約している会社の中では、簡易宿泊所も多く、全国でホテルの企画開発や運営を行う(株)TRASTAや、無人ホテルを展開する(株)Hostyとは業務提携を結び、2社ともにカスタムメイドで家具を製作している。新規出店する際には、家具を納めている。

―― 経営的なメリットは。
 久保 家具や家電の経費がレンタルによる月々の分割払いとなり、収支のバランスシートが安定する。その結果、金融機関からの融資が受けやすくなり、出店拡大のチャンスが生まれる。
 また、当社ではデザインから食器類も含めた商品の手配など空間づくりに必要なことをすべてセットアップできるので、事業者にとっては省力化にもつながる。その結果、事業者は企画や施設の運営管理に集中でき、Hostyの場合は、出店スピードが従来の2倍近く早くなったという。そしてTRASTAでは、当社が提供するサブスクリプションの家具を全室に導入した「住亭 SHIJO KARASUMA」のFFE経費(家具・什器・備品)が従来よりも4割削減できたと聞いている。

―― 今後の展開を。
 久保 法人向け事業の軸はオフィスやコワーキングスペースへのサブスクリプションのサービスであるが、飲食事業者の割合も増えつつある。飲食事業者は現在契約している約200社中の10社強と割合は少ないが、カフェなどに加えて、今春、虎ノ門ヒルズに出店する大型店の空間づくりを手がけ、こうした実績を重ねることで飲食業態からのオファー増加が期待できる。
 今後も当社としては需要の伸長が期待できる法人向け事業を拡大し、高品質で満足度の向上に資する空間づくりでお客様の収益改善につなげていく。

(聞き手・北田啓貴記者)
※商業施設新聞2336号(2020年3月10日)(6面)

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