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第232回

(株)サザビーリーグ AKOMEYA事業部 事業部長 高井伸夫氏


日本の暮らし伝える初の和業態
米を軸に多彩な食材、雑貨展開

2020/6/2

(株)サザビーリーグ AKOMEYA事業部 事業部長 高井伸夫氏
 (株)サザビーリーグ(東京都渋谷区千駄ヶ谷2-11-1、Tel.03-5412-1970)が運営するライフスタイルショップ「AKOMEYA TOKYO(アコメヤ トウキョウ)」は、高感度ファッションやカフェを展開する同社グループのなかでも“米”を扱う異色のブランドだ。お米を軸に、各種食品、器や調理道具、ビューティケアを展開する。狙いやブランドの魅力などを(株)サザビーリーグ AKOMEYA事業部 事業部長の高井伸夫氏に聞いた。

―― なぜ、お米なのでしょうか。
 高井 サザビーリーグには和ブランドがなく、日本の文化を提案したいと考えた。アコメヤ トウキョウのコンセプトは「お福分け」。日本の暮らしや、地方の隠れた逸品を紹介したい。それがお福分けの心。日本の暮らしといえば食卓に白いご飯。我々は20種類前後のお米を扱っているが、地域だけでなく、農家さんまで限定した「◯◯さんのお米」が多く、作り手が見えるのが特徴。また北海道から九州まで扱っており、令和元年からは石川県産の「ひゃくまん穀」を都内で初めて取り扱いし、多くの方にご購入いただいた。東京・神楽坂にある旗艦店「アコメヤ トウキョウ イン ラカグ」では五穀豊穣を願い、出雲大社の大しめ縄の作り手が作る、しめ縄を飾っている。
 また、「米の味チャート」を作成しているが、興味を持つと非常に楽しく、こういう楽しみを分けるのもお福分け。アコメヤ トウキョウが定める試験をパスした「お米コンシェルジュ」が10人ほどいて、店舗で好みや美味しい炊き方を提案している。

―― 物販について。
 高井 1店あたり、3000~4000SKU扱っている。お米のほかに、レトルト、乾麺、菓子、お酒があり、いわゆる“さしすせそ”は調味料類専用棚を作り、VMDで訴求している。雑貨では、調理器具や食器、服飾雑貨ではシルクを使った腹巻、ナイトキャップ、ネックウォーマーを揃える。日本の和製油やお米を使用したヘルス&ビューティも展開しており、泉橋酒蔵とタッグを組み、酒粕と日本酒を使った化粧水・ジェルを新たに発売した。

―― オリジナル商品はどの程度ありますか。
 高井 PBとセレクトで、35~40%がPB。出汁や味噌など、毎日使うものやこだわる商品はPBを開発するようにしている。

―― 生活スタイルは料理をしなくなってきています。調味料や味噌にこだわるのは。
 高井 アコメヤ トウキョウは時代に対して真逆、ある意味アンチなのかもしれない。流通小売は経済性や効率を追求するが、我々は生産者を見せるのがスタイル。「お米を炊きましょう」がブランドのコアな部分で、これに共感していただいた丁寧な生活を求めている方の来店が増えている。

―― 生鮮は。
 高井 アコメヤ トウキョウ イン ラカグで一部青果の扱いを始める考えだ。食品スーパーで扱う商品ではなく、やや“尖った”、こだわりのある生産者から仕入れができる体制となった。

―― いずれ肉や魚も。
 高井 追求していくといずれそうなるだろうが、今はまだやるべきことを着実にやっていく。

―― 出店と業態は。
 高井 13年4月に銀座店、16年4月にニュウマン新宿に出店し、しばらく2店体制だったが、18年にルミネ大宮、京都バル、大阪高島屋と立川高島屋S.C.と一気に出店した。
 現在、物販の「アコメヤ トウキョウ」のほか、レストラン業態の「アコメヤ厨房」「アコメヤ食堂」「アコメヤ弁当」があり、雑貨と食物販、レストラン業態の3業態からなる。19年12月には集大成といえる食堂併設型を東急プラザ渋谷にオープンした。食堂と食物販、雑貨を組み合わせた理想と言える。

―― アコメヤ トウキョウ イン ラカグでは様々な取り組みを行っています。
旗艦店のアコメヤ トウキョウ イン ラカグ
旗艦店のアコメヤ トウキョウ イン ラカグ
 高井 路面店かつ旗艦店の役割を担い、様々な実験も行っている。ご飯のお供だけで実に250種類揃えたり、30種類もの燻製だけを集めたコーナーをカテゴリーごとではなく、コンセプト別に買っていただく売り場で展開する計画もある。

―― 出店計画は。
 高井 コンセプト型、ターミナル型がようやくできあがり、国内の大型都市中心に広げる準備ができた。現在、13店だが、この倍は十分にいける。とりわけ政令指定都市へは出店していきたいと考えており、6月にターミナル駅出店型フォーマットをよりブラッシュアップさせた完成版を、シャル横浜に開業する予定だ。

―― 今後の展望を。
 高井 食堂の展開に力を入れていく。
 また、新たな取り組みとして、食品添加物が入っていない自然な食品を集めた売り場を作り、それをカセットで展開する。横120cm、5枚の棚が入る什器を制作し、我々が出店できない場所に提供したり、卸したりできる仕組みを作り、全国に展開していきたい。さらに調味料や菓子など、カテゴリーを広げる。什器の提案と、パッケージ、VMDまでをセットにして、卸売りすることで、地方百貨店や地方SCへそのままカセットで提供できる。これを今秋、つまり次の新米とセットにしようと思っている。

(聞き手・編集長 松本顕介)
※商業施設新聞2344号(2020年5月12日)(5面)
 商業施設の元気テナント No.234

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