商業施設新聞
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第236回

(株)横浜DeNAベイスターズ 代表取締役社長 岡村信悟氏


スポーツで都市空間を創造
横浜モデルのスマートシティへ

2020/6/30

(株)横浜DeNAベイスターズ 代表取締役社長 岡村信悟氏
 プロ野球球団「横浜DeNAベイスターズ」を運営する(株)横浜DeNAベイスターズ。そしてその本拠地である「横浜スタジアム」を管理、運営する(株)横浜スタジアムは、約3年の工事期間を経て大規模な増築・改修工事を2020年2月に竣工した。約5000席の増席や「Yデッキ」の拡張など、さらなる賑わいを創造する施設へと生まれ変わった。さらにDeNAグループは25年開業予定の現市庁舎街区活用事業に参画するなど、「横浜スポーツタウン構想」に基づいた街づくりを進めており、その動向は注目を集めている。(株)横浜DeNAベイスターズ代表取締役社長の岡村信悟氏に話を聞いた。

―― 新装した横浜スタジアムについて。
 岡村 ハマスタを常に賑わいを創造する拠点として活用していきたいと考えていた。今回、まず収容人数を増やし約3万4000人に拡大することで、日本の屋外球場で甲子園に次ぐキャパシティとなった。さらに17年から運用を開始したYデッキを、ハマスタ外周を1周するように拡張することで、約600mの回廊ができ、市民や通行人にとって開かれた場所にすることで、さらなる人の流れを生み出す施設となった。
 このハマスタで生まれた賑わいが隣接する横浜公園にも波及していくと考えており、今後は球場と公園空間が一体となって、横浜スポーツタウン構想の核となることを目指している。

―― 横浜スポーツタウン構想について。
 岡村 我々はスポーツを興行としてのみ扱うのではなく、人を集めることのできる一種のソフトインフラに位置づけている。そこにハマスタという存在を掛け合わせることで、周辺地区にも波及する賑わいを創出することを大切にしている。このように、都市空間を我々球団がスポーツを軸に創造することが横浜スポーツタウン構想だ。横浜DeNAベイスターズの興行を行うことで人々が集うだけでなく、さらに訪れた人々がそれぞれに楽しめる空間を作っていきたいと思っている。

―― 現市庁舎街区活用事業も予定しています。
 岡村 現市庁舎街区は、ハマスタとも近接しており、連携していくことで横浜スポーツタウン構想のさらなる発展につながると考えている。歴史ある建物という存在を残しながらも、新しい都市空間や施設を生み出していくのだ。我々はライブビューイングアリーナやエデュテイメント施設の運営に携わるが、特にエデュテイメント施設では、教育とテクノロジー、子どもたちとスポーツを組み合わせた、全く新しいエンターテインメント空間を提供する。
 このような活用事業を行うことで、学生や会社員、さらに新しいことにチャレンジするベンチャー企業の人たちやスポーツ好きの人など、関内エリアには様々な人が集うようになる。そうすることで、単純な観光空間に留まらず、ビジネスや教育、スポーツなど多くの切り口を持った都市空間の形成が進んでいく。


(聞き手・編集長 松本顕介/新井谷千恵子記者)
※商業施設新聞2347号(2020年6月2日)(1面)
 デベロッパーに聞く 次世代の商業・街づくり No.334

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