商業施設新聞
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第275回

(株)カプセルコーポレーション 代表取締役CEO社長 高山毅氏


横浜に「キノココチ」関東1号店
地域に20年愛される店舗へ

2021/4/6

(株)カプセルコーポレーション 代表取締役CEO社長 高山毅氏
 (株)カプセルコーポレーション(大阪府羽曳野市尺度102-1、Tel.072-958-6001)は2018年10月、カフェ&レストラン「キノココチ」を堺市の高台に臨む見晴らしの良い住宅街に開業した。SNSなどで人気を呼び、3月1日、2号店にあたる関東1号店を「ブランチ横浜南部市場」(横浜市金沢区)にオープンした。さらに、多くの出店要請が寄せられているという。同社代表取締役CEOの高山毅氏に聞いた。

―― 貴社の概要や出店の経緯から。
ブランチ横浜南部市場では
海の前にオープンした
 高山 当社は店舗などの内装工事を設計から施工まで手がけ、これまでに多くの飲食店舗の内装や空間づくりに携わってきた。工事現場から出た端材を廃棄するのではなく何か再利用できないかということで、家具作りを始めた。これが好評で、家具ブランド「Mrヘッドスタンプ」を立ち上げ、その商品を店頭で販売する目的で、堺市南区釜室に1号店を開業するとともに、カフェ&レストラン「キノココチ」を併設した。

―― 業態の特徴は。
 高山 緑あふれる堺市南区の立地で、心地よい風が流れる丘で女性の家具職人がつくる家具や雑貨を販売するとともに、カフェレストランを併設した。木の香り漂う家具に囲まれながら、おしゃべりが弾む楽しい料理やゆっくりとサイフォン式のコーヒーを楽しんでいただく。
 一般的な家庭では年に1、2回レジャーや旅行をされるのではないか。その時感じる『気持ちいい』とか『来てよかった』というのは年1、2回しか味わえない。キノココチは、レジャーに行かずともレジャーを体験できるもので、1週間のうち2時間・2000円でその気分が味わえることをコンセプトとしている。

―― 店舗の特徴は。
 高山 家具も女性が設計して、女性が作っている。すべて女性目線。そのコンセプトでつくっているため、椅子やテーブルは通常の高さより低くつくっていることから、座りやすく、また、ソファーに奥行を持たせお子さんを寝かせられるように配慮している。ペルソナ像としてすべて「アイザワトモカさん・38歳」が喜び、美味しい、楽しいと思えるかを基準に考えている。

―― 関東1号店となった横浜南部市場店は。
 高山 堺の店舗は130席だが、南部市場は90坪・110席。堺の店舗も南部市場の店舗も同じつくりにしているが、海に面した素晴らしい立地に合わせて、素敵な空間づくりができたと自負している。
 南部市場は価格訴求の商品を買いに来られる方が多いことから、価格帯を抑えたメニュー展開としなければならないと思いがちだがそうではなく、1週間のうち2時間2000円を使ってもらうために、キノココチに来たついでに買い物をしてもらうことができるから出店を決めた。

―― 食へのこだわりは。
 高山 主婦層、お子さんを連れた方も多いので、女性が喜ぶメニューにしており、イタリアンベースのカフェメニューとしている。ドレッシングも手作りとしたサラダバー、パスタ、ハンバーグなどメイン、スイーツとなる。

―― どの程度まで店舗を拡大する計画ですか。
 高山 5年で終わる店ではなく、20年の店を目指している。20年間地域に愛される店。地域の“灯台”となるような店を目指したい。

―― コロナ禍で外食事業は厳しい経営環境にあります。
 高山 当然、影響は受けているし、大打撃だ。しかし、地域の灯台を目指して頑張ってきた。

―― 3号店の計画は。
 高山 10店舗分のお声がけをいただいているが、決まってはいない。郊外で住宅街に近い立地を望んでいるが、公園の前などの提案が多い。

―― 将来どの程度まで店舗を広げたいですか。
 高山 それは考えてはいない。一気に拡大するのではなく、1店ずつ丁寧につくっていく。
 いつも思っているのは、先ほど申し上げた「地域の灯台にする」こと。そのためにはお店はきれいに清潔にしなければいけないし、美味しい料理を提供して、笑顔を絶やさず、元気よく仕事しなければいけない。コロナ禍で厳しいが、やはり支持していただけるからこそ続けていける。


(聞き手・特別編集委員 松本顕介)
※商業施設新聞2389号(2021年3月30日)(8面)
 経営者の目線 外食インタビュー

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