商業施設新聞
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No.801

ちょっと木屋町を散策


今村香里

2021/4/6

 コロナ禍が影響し、利用していなかったサイトのポイントが貯まりに貯まってしまった。そこで、緊急事態宣言も解除されたことだし、京都のホテルランチでポイントを消費することにした。久々に京都の繁華街に出向いたのだが、外国人観光客の姿はまばらである。以前は春の桜のシーズンといえば、大通りは外国人観光客で溢れており、小さい通りを抜け、人混みを避けながら歩いたものだ。

木屋町側の桜とクロスホテル京都の外観
木屋町側の桜と
クロスホテル京都の外観
 今回は、2018年9月に開業した「クロスホテル京都」にお邪魔した。実は、ここは思い出の場所である。クロスホテル京都は、「京劇ドリームボウル」というボウリング場の跡地に開発された。学生時代によく利用したボウリング場で、「京劇に集合」といいながら大人数でよくボウリング大会をしたものだ。その後、1階にあるプリクラ機でプリクラを撮って、隣接する木屋町に仲間と飲みに行く。クロスホテル京都の建物を目の前にし、そんな懐かしい日の思い出を回想した。



子連れでも楽しめそうな元立誠小学校跡の芝生広場
子連れでも楽しめそうな
元立誠小学校跡の芝生広場
 クロスホテル京都のコンセプトは、本物にこだわる空間で進化型のカジュアルラグジュアリーを目指している。ファサードには町屋の格子が施されており、目の前の道もアスファルトから石畳風に様変わりし、一帯が“京都らしさ”を強調していた。ランチタイムに食事をした1階のレストラン&バーは、気軽に利用できるが、ホテルに来たというお洒落な雰囲気もあって居心地がよかった。何より、テーブルの配置がゆったりし、席も横並びに準備されているなど、感染対策に加えコロナ禍でも利用しやすいと感じた。独りで食事を楽しむ人も多く、とても良い空間だった。次回は近距離だが、ホテルにも泊まってみたい。

 昼食後はホテルを後にし、ちょうど桜が満開だったので、そのまま木屋町通りを散策する。木屋町の桜は高瀬川沿いに並木になっており、柳の木と相まってなんとも趣のある情景である。河原町駅方面に下っていくと、元立誠小学校跡地が装い新たに生まれ変わっていた。20年7月に複合商業施設の「ザ・ゲートホテル京都高瀬川 by HULIC」としてオープンしたもので、従前の姿を知っている者からすると、あまりの変わりように驚く。以前は芸術イベントなどが多く開催されていた場所で、館内にはホテル以外に図書館やお洒落なショップ、ホールがあり、少しそのコンセプトを継承しているようだった。中でもグラウンドを残した芝生広場は、木屋町通りにそのまま抜けられる開放感ある空間となっていて、思い思いの時間を過ごせそうだ。

 京都の街は、この数年でホテルが増えた。飲み屋や飲食店が軒を連ねる木屋町エリアでも、こうしてホテルが続々と建っている。今はコロナ禍で外国人観光客は減っているが、地域に住む人や子連れでも利用しやすいコンテンツが充実しているようだ。また木屋町で、大人になった友人たち、さらにその子どもたちも一緒に、学生時代の思い出話に花を咲かせながら集まりたい、と散策しながら思うのであった。
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