■発刊趣旨とご購入のご案内

　訪日客数は2019年に3188万人を記録しましたが、新型コロナウイルスの影響で、20年は411万人、21年は24万人まで落ち込みました。一方、2022年10月11日、入国者数の上限が撤廃され、それ以来インバウンドが急増しました。22年の訪日客数は383万人まで回復し、各観光地で訪日客の姿が戻っています。回復の勢いは早く、コロナ禍では「訪日客数が完全に回復するのは25年ごろではないか」という指摘もありましたが、1年前倒しになるという声も出てきています。
　ただホテル市場はコロナ前、エリアによっては、いわゆるビジネスホテルが供給過剰になるなど厳しい状況がありました。当時、住宅デベロッパーなど他業界からの参入もあり、訪日客4000万人時代に向けて多くの投資が行われました。しかしコロナによってホテル事業の難しさを目の当たりにし、今後、以前ほどの新規参入はないとみられます。
　その一方で、従前からホテル事業を行っていたデベロッパーの開発、オペレーターの出店は今後も継続します。日本に足りないと言われている高級ホテルは次々にオープンする計画で、都市型再開発も活況であり、再開発ビル内に高級ホテルが出店していく機会も増えるとみられます。ビジネスホテルなどリミテッドサービス系も上質なものなどが増え、差別化を図るような案件も出てきました。年間訪日客数が4000万人を突破すれば、再びビジネスホテルなどの開発も活況になっていくとみられます。
　本書は、この潮目が変わったホテル業界の動向や開発トレンドを読み解き、時代のニーズに即した施設づくりの指針となることを目指して編集・製作いたしました。5章構成となっており、第1章ではホテル業界を熟知した企業や主要企業のインタビュー、2章はホテル業界の最新動向を詳述、3章はコロナ禍に開業した注目の10ホテルを紹介します。4章では活況エリアの開発動向、5章では23年4月以降に開業する全国の開発案件を収録しました。
　なお、弊社では定期刊行物として週刊で『商業施設新聞』を発行しており、本書の取材は同紙編集部の手によるものです。読者諸賢のご批判、ご叱正、ご助言をお願い申し上げる所存です。

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■内容構成