■発刊趣旨とご購入のご案内

　小売業界は2024年度、コロナ禍以降の経済正常化、インフレ下の価格転嫁の影響などにより、大手を中心に軒並み好調な業績となりました。また、24年のインバウンドは客数約3687万人、旅行消費額約8兆1257億円でいずれも過去最高を記録し、23年度に続き24年度も百貨店大手4社は揃って増収増益、特に伊勢丹新宿本店は総額売上高が4212億円と4000億円を突破し過去最高を更新しました。総合スーパーのイオンは25年2月期の営業収益が10兆1348億円で、小売業界2社目の10兆円企業となったほか、ドラッグストア業界は全体売上高が10兆円超となり、業界として大きな成長を遂げています。長く厳しい状況が続いていたアパレルなども徐々に出店が回復している企業も出てきています。
　一方で、ドラッグストア、スーパー、コンビニエンスストアといった業界は商材が近しく、業界を超えた競争はより一層激しさを増しています。加えて、昨今の物価高による消費者の節約・ディスカウント志向は従来以上に強くなり、今後の小売業界にも大きな影響を与えると見られ、価格訴求型の業態・商品開発を急ぐ企業も少なくありません。さらに出店戦略においても人件費の高騰や人手不足といった問題が山積するなど、小売業界を取り巻く環境は厳しくなることが予想されます。このような中でも各社はニーズを捉え、より顧客目線の商品展開、サービス提供などを行うことで時代に合わせた変化を行い、成長を目指しています。
　本書はこうした変化する小売業界の動向をまとめた一冊となります。2章構成とし、第1章では、25年度の主要小売企業の出店動向のレポート、2章では小売業界を中心とした15業界・144社の戦略、動向、出店計画などをレポートしております。

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■内容構成（予定）