カナダは、連邦政府や州政府から手厚い支援が受けられる、ビジネスにかかるコストがG7で最も低い、ベンチャーが起業に要する時間が極めて短い、高学歴の優秀な人材を確保できる、ビジネス移民に寛容で移民政策が安定しているなど、ビジネスに適した環境が整っている。
最近は、連邦政府と州政府双方からの支援と産官学連携によって、AI企業の育成や誘致に力が入っている。この分野ではトロント大学やモントリオール大学が強みを発揮している。トロント大学はAIの世界的研究者として知られるジェフリー・ヒントン氏を輩出したほか、公的支援を受けて優秀なAIベンチャーが産声を上げている。ディープラーニング研究で世界的に知られるモントリオール大学のヨシュア・ベンジオ氏らは「エレメントAI社」を立ち上げ、マイクロソフトから出資を受けている。また、AIの研究コンソーシアムも立ち上げられ、グーグルなど世界的企業を魅了している。
このように、カナダはAI研究の世界的拠点として注目されており、世界の名だたるICT企業が研究拠点を置き始めた。さらに、カナダはオープンイノベーションへのサポートも強化しており、NTTデータがトロント市のイノベーション施設「MaRS」と組んでオープンイノベーションを進めるなど、国外企業との連携も活発化している。
JPCA Showのカナダ大使館ブースでは、ICT産業に適したビジネス拠点としてのカナダの魅力を紹介する。
(本紙2017年4月20日号5面 掲載)