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シュマルツ


新型圧力スイッチ 予知保全を実現へ

2017/5/19

ディスプレー表示のある新型圧力スイッチ(上)とないタイプの同スイッチ
ディスプレー表示のある新型圧力スイッチ(上)とないタイプの同スイッチ
 シュマルツ(株)(横浜市都筑区池辺町3595、Tel.045-308-9940)は、このほど業界で初めてモニタリング機能を搭載した新型圧力スイッチ「VSiシリーズ」を開発した。

 同製品を搭載したコントローラーは、真空搬送システム内の真空圧や正圧の状態を常に把握することができるようになり、例えば、圧縮空気の供給の停止または再開を制御してエアー消費の削減や、真空吸着ワークの落下事故などの突発的な装置のダウンタイムを抑制できる。さらに、一定の真空圧への到達時間をサイクルごとに傾向観察などを行っていくことで装置の予知保全につなげることも可能になる。

 いわゆる真空システムの見える化につながり、現在注目されているスマートファクトリー実現に向けた重要なデバイスとして、少量多品種の製造が多い国内基板メーカーをはじめ、ロボットなど産業機器メーカーへの販促を強化する。2017年に入って国内でも引き合いや問い合わせが増えてきているという。

  
 同製品は、任意に設定した一定時間のエアー漏れの検知が可能なほか、NFC技術を搭載したスマートフォンを使用して、無線でパラメータの入出力もできる。既存のローカルネットワークにも対応しており、新たな通信規格IO―Linkを介して、高速リアルタイム通信や遠隔監視も実現した。離れた場所から、複数ラインで製造中の基板の品種を替える際に、異なる真空圧の設定などを行えるため、段取り替え時間を大幅に短縮できる。

 新型の圧力スイッチを備えた真空吸着の搬送装置があれば、現在のチョコ停や真空機器の疲労寿命などによるダウンタイムを防止でき、多品種少量生産などの多い国内製造業の工場などにおいても高効率な生産体制を構築することが可能だ。

 今回の出展では、この画期的な圧力スイッチの展示やデモを中心に行う。スルーホール基板のほか薄型基板、部品実装基板といった、従来の真空搬送では対応できなかった新たな基板グリッパーやパッド製品の紹介や実演も行う。細線化や高密度化に対応した基板の搬送にも対応できるという。

(本紙2017年5月18日号5面 掲載)

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