電子デバイス産業新聞(旧半導体産業新聞)
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東京大学生産技術研究所 付加製造科学研究室


3次元立体配線で未来ロボット創出

2017/5/8

:3次元形状への立体配線
3次元形状への立体配線
 東京大学生産技術研究所 付加製造科学研究室では、AM(Additive Manufacturing)技術とMID(Molded Interconnect Devices)の融合による3次元電子回路形成プロセスに関する研究を進めている。本展示会でも要素技術と、同技術を用いた具体的な用途展開を紹介することで、実用化に向けた動きを加速したい考え。

 東京大学生産技術研究所では産学連携の取り組みの一環として、公益性の高い共通の課題について、民間企業などから出資や援助を受け入れる社会連携研究部門と呼ばれる制度を設けている。現在、活動している同部門のなかに「未来ロボット基盤技術社会連携研究部門」があり、日本電産の資金協力のもと、付加価値製造科学研究室は次世代ロボットへの応用展開を視野に入れた研究を進めている。

 AM技術は昨今注目されている3Dプリンティング技術のことで、同研究室ではAM技術の1つであるレーザー焼結法の研究に力を入れている。同手法は熱可塑性の樹脂粉末を薄く敷いた後に、レーザーで選択的に溶接(溶融・固化)を繰り返すことによって、3次元形状を実体化する付加価値製造技術。具体的に、同研究室では熱応力や変形抑制のための予熱は行わない低温造形の研究を行っている。

 また、これまで3次元配線板としての利用がメーンであったMID技術をメカトロニクス素子へ応用する研究や、そのための加工技術の研究も進めていく。

 今後、AM技術とMID技術を組み合わせることで、ロボット筐体に直接配線をパターニングでき、「基板レス」のロボットが実現できるという。これにより、大幅な省スペース化や設計の自由度向上などが見込めるという。
   
(本紙2017年5月4日号5面 掲載)

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