カインズと、コメリのホームセンター(HC)企業が報道機関向けに秋冬新商品の発表会を開催したので、事業戦略を探りに行ってきた。気温の下がる季節が始まることから、家の中でいかに心地よく快適に過ごすかのPB商品開発が活発であると感じた。中でも、部屋着を一般医療機器として発売していることに着目した。
カインズの2026年秋冬商品の主題は、くつろぎインテリア、温活、グリーン、食品。チーフプロダクトオフィサーの吉井純人氏は「気温が下がる時期に高まる『家で心地よく過ごしたい』『寒さを和らげたい』という生活者の要望への対応や、20~30歳代への訴求を重視した」と話す。中核商品となる大型クッション「NEDOCORO(ネドコロ)」(税込み1万2800円)は、壁にもたせ掛ける個人向けソファとして使える大型クッション。自分だけの包まれた空間でくつろぎの時間を過ごすことができるという。また疲労回復サポートウェア(機能性インナー)は、血行促進・遠赤外線による回復サポート機能を備え、特殊機能繊維を生地全体に練り込んだウェア。着用することで体から放出される遠赤外線を輻射し、血行を促進して、日常生活や仕事で感じる疲労の回復や、筋肉のハリ・コリの緩和をサポートするという。25年9月の発売で、その後半年で5万枚を販売し、人気商品として多くの支持を集めているという。市場には様々な同カテゴリーの商品が出ているが、この価格(3980円)で提供できるのはカインズの強みとする。部屋着をリカバリーウェアと銘打ち、一般医療機器として販売することの意義について担当者に尋ねると、「疲労回復に関連する各種性能を数値化し、厚生労働省から認められることで、消費者からの信頼が増す」としていた。
さらにコメリは、快適な睡眠をサポートする「SOLVIC ヒールサポート リカバリーウェア」を新商品として、秋冬新商品体験会(8月下旬開催)で発表した。特殊な鉱石が遠赤外線を吸収・輻射することで血行を促進し、疲労回復をサポートする本格的なリカバリーウェアとして、寝返りを妨げない立体パターンや、背中が出にくいロング丈、寝具との摩擦を和らげる横向き寝専用の縫い目配置など、睡眠の快適性を追求したこだわりなどを特徴として満載したとする。上下セットで4000円以下(上下各1980円)という費用対効果で客に訴求している。
日本市場で最初に疲労回復サポートウェアを投入したのは、「BAKUNE」のコンディショニングブランドを展開するTENTIAL(東京都品川区)であると市場関係者から聞いた。当初はアスリートや業務用だったが、その後、HC企業などが安価な価格設定で一般消費者市場へ商品投入しているのが現状だ。最近の昼夜の寒暖差などから、体調を崩したり、疲労を溜める人が増えている。疲労回復サポートウェア、リカバリーウェアの需要は高まるに違いない。HC企業は、春夏時はDIYや家庭菜園・農園向け商品の開発・販売が活発だったが、秋冬は健康回復支援商品に力を入れる販売戦略の転換で、季節性を感じた。