商業施設新聞
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No.1078

紙面で書ききれなかった自由が丘ミューズスクエアの諸々


サリョールサラ

2026/10/27

 自由が丘一丁目29番地区市街地再開発組合ならびに事業参画者のヒューリック(株)が計画を進めてきた複合施設「JIYUGAOKA MUSE SQUARE(自由が丘ミューズスクエア)」が9月17日にオープンし、東京・自由が丘駅前の新たなランドマークとなった。取材に訪れた際、面白いと感じたことや気になった店舗などたくさんあったのだが、紙面には詰め込みきれなかったことも多かったため、今回いくつかピックアップしたい。

「パティスリー パブロフ」のカフェ空間
「パティスリー パブロフ」のカフェ空間
 施設入り口を抜けると、まず開けたエントランス空間が広がる。建物の中ながら、「新しい通りに来た」という感覚がある。1階フロアは、再開発前の同地にあった十字路の名残をとどめた広々とした貫通通路が設けられており、施設を東西南北に通り抜けることができる。この通路は、建物周囲の傾斜を反映するかのようにゆるくスロープがかかっており、フロア内に段差が見当たらない。小さな子どもを育てるファミリー層がターゲットのひとつとなっているだけあり、ベビーカーや車椅子でも通行しやすそうな工夫が施設内でしばしば確認できた。テナントにおいても広めの通路幅を確保することが統一のテーマとなっているようで、アパレル、シェアラウンジ、飲食店なども、店内がぎゅっと詰まりすぎず、ゆとりある通路を配した店舗が多い印象だった。

 紙面に書ききれなかった店舗のうち、横浜元町からやってきた「パティスリー パブロフ」(カフェ・洋菓子・ベーカリー)は3業態を備えた初めての店舗となった。什器にも気を遣った可愛らしいクラシカルな空間が広がり、アフタヌーンティーを中心に楽しめる。同店は施設の内外からアクセスすることができ、外側から見ると路面店のお菓子屋さんのようだ。「MICA & DEAL」(レディス)は、ブランド最大規模の旗艦店として出店。自然光が差し込むようなやわらかな光とニュートラルな素材感を生かしたラグジュアリーな空間で、女性らしさと自然体の心地良さを大切にしたラインアップや、大人の女性に向けた上質なスタイリングなどを提案する。同店や「UNITED ARROWS WOMEN'S STORE」(レディス)など、施設内ファッションカテゴリーは高感度なレディスが多めだ。

 このほか、訪れていないが6階事務所フロアも面白い。商業フロアではないのだが、事務所フロアといっても元々同地に位置していた「みずほ銀行」を移転し機能を集積したもの。ビジネスではない一般の利用者の出入りもあるため、下層の商業施設との親和性が高く、事務所フロアを訪れた足でそのまま商業施設を利用する流れも大いにありそうだ。

 自由が丘ミューズスクエアは、1階の路面店風のつくりや貫通通路などの工夫、目的性ある店舗や「街ぶら」に最適な店舗などを揃え、同施設を起点としたエリア回遊も創出していく。自由が丘エリアでは、自由が丘駅が2027年に開設100年を迎える一方で老朽化した建物などのハードの更新が課題となっており、「自由が丘駅前地区」「自由が丘東地区」「自由が丘駅前西及び北地区」など複数の開発計画の動きがある。自由が丘エリアの再開発の先駆けとなった同施設が、今後の再開発に対して生み出す波及効果や連携にも注目していきたい。
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