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第224回

どうなるFCV


“EVショー”の中にも存在感

2017/11/17

 10月28日から一般公開がスタートした「東京モーターショー2017」(東京ビッグサイト)が、11月5日に閉幕した。総来場者数は77万1200人で、前回(2015年)の81万2500人からは約4万人の減少となった。

 今回の開催では、国内外の主要自動車メーカーから、特に電気自動車(EV)のコンセプトモデルが多く披露され、「東京EVショー」と表現しても過言ではないほどの展示であった。日産の「LEAF NISMO Concept」や、三菱自の「MITSUBISHI e-EVOLUTION」、ホンダの「Honda Urban EV Concept」などはワールドプレミアとして公開され、フォルクスワーゲンの「I.D.BUZZ」やメルセデス・ベンツ「Concept EQA」は、日本初公開のモデルとしてベールを脱いだ。

 一方で、次世代環境対応車としてその動向が期待されている燃料電池車(FCV)も、性能を大きく進化させたモデルが発表され、確実に来場者の注目を集めた。

トヨタが示すFCVのさらなる可能性

トヨタのFINE Comfort-Ride
トヨタのFINE Comfort-Ride
 14年に量産型のセダンタイプFCV「MIRAI」を世界に先駆けて発売したトヨタは、FCVのポテンシャルを示すコンセプトモデルとして「FINE-Comfort Ride」を公開した。電動車ならではの自由なレイアウトを活かし、インホイールモーターの採用やタイヤを四隅に配置することで高い静粛性とスムーズな走りを実現。さらに、水素をエネルギー源とする大電力量を活かすことで、約1000kmの航続距離を実現している。

 また、FCバスコンセプト「SORA」は、現在東京で運行している2台のFCバスの進化版だ。18年から順次導入を進め、今後100台以上が都心エリアで運行されることとなる。

メルセデス・ベンツが世界初のPHFCV

メルセデス・ベンツのGLC F-CELL
メルセデス・ベンツのGLC F-CELL
 メルセデス・ベンツが発表した新型「GLC F-CELL」は、燃料電池とバッテリー技術を融合させた世界初の100%電気駆動のプラグインハイブリッドFCVだ。水素に加えて、蓄えた電気によっても走行可能としている。

 水素タンクの容量は4.4kgで、航続距離は437kmを達成。これに大型LiBによるEV航続距離49kmを加えることができる。同社によると「燃料電池は、長い航続距離、短い燃料充填時間、水だけの排出というメリットを持つ。必要なインフラが整備されるマーケットなら、どこでも必ずや将来有望な技術になる」としている。

水素ステーションの設置拡充とFCVの普及拡大へ

岩谷産業が芝公園に設置した水素ステーション
岩谷産業が芝公園に設置した水素ステーション
 日本では、経済産業省 水素・燃料電池戦略協議会が、16年3月22日に改訂版を発表した「水素・燃料電池戦略ロードマップ」において、水素ステーションを16年度内に4大都市圏を中心に100カ所程度、20年度までに160カ所程度、さらに25年度までに320カ所設置するとし、さらに、20年代後半までに水素ステーション事業の自立化を目指す方針だ。5月19日には、トヨタ、日産、ホンダ、JXTGエネルギー、出光、岩谷産業、東京ガス、東邦ガス、日本エア・リキード、豊田通商、日本政策投資銀行の11社が水素ステーションの本格整備に向けた協業の検討開始で合意し、覚書を締結するなど、業界を挙げて取り組みを強化している。

 しかし一方で、その前提としてFCVを20年までに4万台、25年までに20万台、30年までに80万台程度普及させるとしているが、現状、トヨタの「MIRAI」の販売台数はわずか1500~2000台程度と見られ、「20年までに4万台」という目標達成は難しい状況にあるのが実情だ。

 車両の普及が遅れることで、水素ステーションの自立化も後ろ倒しとなれば、さらに普及は足踏みをするという負の連鎖が続くこととなり、関係各社はいかにしてこの流れを断ち切るのか、今後の動向が注目されるところだ。

電子デバイス産業新聞 編集部 記者 清水聡

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