商業施設新聞
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No.717

外国人旅行者が求めるもの


高橋 直也

2019/8/6

 東京オリンピックの開催まで1年を切った。来年の今ごろは、都内を中心に外国人旅行者が増えており、各商業施設は外国人の取り込みに躍起になっているはずだ。そんな中、ある商業施設運営事業者と話していたとき、その事業者はこう漏らした。「外国人が求めるものがよく分からない」。外国人の取り込みに向けて様々な施策を展開しているが、効果が出ないこともあるそうだ。

 各施設は外国人客に向けて化粧品やコスメを拡充する、免税対応をするといった王道の施策を実施しているものの、それ以上突っ込んだMD、店づくりを実施しているケースは少ない。一くくりに「外国人」といっても様々な国から来ているので趣味や好みも様々だし、しかも商業施設が外国人に目を向けだしたのはここ数年のこと。日本は、インバウンドの取り込みにおいてまだまだ発展途上国といえるだろう。

 そして、むしろこの王道をいかに強化するかに力を注いでいるようだ。ドラッグストアは、銀座周辺でもりもりと訪日客を集客する出店をしているし、出店を狙う企業も多いと聞く。筆者は札幌市出身なのだが、札幌市の中心部を訪れるたびにドラッグストアが増えている気がする。地元の商業事業者に話を聞くと「もはや陣取り合戦」とのこと。「他社に出店されるくらいならウチが出店する」ということなのだろうか。街としての面白みに欠けるなどの是非もあるだろうが、外国人客は欠かせない客層の一つ。個人的にインバウンドの取り込みは一層進めるべきだと思う。

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 外国人の取り込みに向けては様々なチャレンジが求められるが、必ずしも新しいチャレンジではなくていいのかもしれない。最近、都心のマクドナルドやスターバックスの前を通るたびに思うのだが、意外と店に訪日客らしき人がいるのである。わざわざ日本に来てまでなぜ、と思ったが、考えてみると仕事でニューヨークを訪れたとき、現地の味にどうも馴染めず、筆者もマクドナルドやスターバックスを何度か使った記憶がある。いくら観光客とはいえ、和食ばっかり食べていたら飽きる。日本人だって和食が3日続けば洋食を食べたくなるのではないか。

 化粧品やジャパンブランドだけが外国人旅行者の求めるものではないのなら、いっそ「安心感」を重視してグローバルブランドを徹底的に集めた施設を都心に作ったらどうか。面白い施設とは言えないかもしれない。しかし、年間の訪日客数4000万人、6000万人を目指す中、一つくらい「やりすぎでは」「そんなのやる必要ある?」という物珍しい事例があってもいいのではないか。
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