電子デバイス産業新聞(旧半導体産業新聞)
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No.9

プランゼージャパン(株) プロダクションユニットマネジャー 下川敦氏に聞く(上)


高融点金属部品を製造
イオン注入装置部材の中心拠点 国内でトップシェア

2016/10/28

プランゼージャパン(株) プロダクションユニットマネジャー 下川敦氏に聞く(上)
 オーストリアに本社を置くグローバル企業、プランゼーグループ(日本法人:プランゼージャパン(株)、東京都港区六本木1-9-10、Tel.03-3568-2451)。加工が難しく、かつ脆いという特徴を持つ高融点金属(タングステンやモリブデン、タンタルなど)に注力し、原料の生産からそれを用いた各種部材の機械加工や板金加工までを一貫して手がけており、ビジネス領域はエレクトロニクス機器、照明、熱処理炉、医療機器、航空宇宙、半導体製造装置など幅広い。
 半導体製造装置分野では、主にイオン注入装置用の各種部材を手がけており、生産工場(岩手県奥州市江刺区岩谷堂字松長根)から、日本をはじめ世界の半導体メーカー向けに製品を出荷している。特に、日本市場ではトップシェアを維持している。そのため、同工場は同社のグループ内でも極めて重要な拠点と位置づけられているという。そんな同工場を牽引するプロダクションユニットマネジャーの下川敦氏に話を伺った。

―― まず、貴社のプロフィールを。
 下川 当社は、オーストリアに本社を置くグローバル企業だ。1921年の創業以来、モリブデン、タングステン、タンタルなどの高融点金属製品を材料から一貫して開発・製造し、材料および加工部品として販売している。こうした高融点金属は、温度上昇時の機械強度が高く、導電性や熱伝導性に優れているうえ、X線遮蔽効果が高い、耐食性が高いといった様々な特徴がある。そのため、自動車やエレクトロニクス製品、医療機器、照明など、幅広い分野で使われている。
 プランゼーグループには4つの事業部門があり、中心となるプランゼーハイパフォーマンスマテリアル(以下プランゼーHPM)のほか、タングステンの粉末を製造するGTP、タングステンカーバイドの工具を製造するCERATIZITという3つのグループ企業、さらにモリブデンの粉末を製造するMOLYMETという関連企業がある。

―― グループ全体の売上高は。
 下川 グループ全体の売上高は21億6800万ユーロ(2015年)となっている。プランゼーHPMにおいては、24カ国に拠点を構えており、このうち本国のオーストリアをはじめドイツ、フランス、スイス、ブルガリア、米国、インド、中国、韓国、そして日本に製造拠点を有している。

―― この工場では、半導体製造装置向けの部品を製造していますね。
 下川 主にイオン注入装置向けの部材を製造している。具体的にはアークチャンバー、フロントスリット、カソードなどだ。
 当工場は、プランゼーHPMの製造拠点となっている。同部門はいくつかのビジネス領域で構成され、イオン注入装置向け部材はその1つだ。当工場の売上高の半分程度が半導体製造装置向けとなっている。そのうえ、当工場は当社グループの中でイオン注入装置向け部材製造の中心拠点として、極めて重要な位置づけを担っている。
 イオン注入装置向け部材の他には、照明向け放電電極、高温炉用ヒーター、医療機器用部品なども製造している。

―― イオン注入装置向け部材の市場シェアはどの程度ですか。
 下川 日本国内ではトップシェアを確保している。国内の半導体メーカーの間では、ここ数年再編が相次いだが、当社の国内市場向けの売上高は増減があるものの、健闘していると考えている。

(聞き手・編集委員 甕秀樹)
(本紙2016年10月20日8面 掲載)

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