(株)理学ボディ(東京都渋谷区)は、整体事業の「青山筋膜整体理学BODY」、ピラティススタジオの「ルルト」を展開し、理学療法士監修のプログラム提供などを特徴・強みに店舗を拡大中だ。特にルルトは国内外で積極的な出店を行っており、2030年に国内300店、国内外で1000店体制を目指している。ピラティススタジオのルルトについて、同社代表取締役の木城拓也氏に聞いた。
―― 貴社の事業内容から。
木城 2018年に整体事業で創業し、現在は整体、ピラティスの2事業を柱とする。整体事業は理学療法士をはじめとする国家資格保有者が施術を行う整体院、ピラティス事業は22年のスタートで、理学療法士が監修したピラティスを提供するオーダーメイド・マンツーマンレッスンのピラティススタジオを展開している。
現在の店舗数は、整体が6月に池袋2号店を開業し全国100店を達成した。ピラティスは7月に5店をオープン予定で国内76店、海外7店(シンガポール4、インドネシア、オーストラリア、マレーシア各1)となる。ピラティスの会員は男女比がおおよそ男性1割、女性9割で、年齢層は30~40代が多く、業界全体の参加者平均とほぼ似た感じだろう。
―― ルルトの開発について。
ピラティススタジオ「ルルト」は積極出店している(写真はルルト恵比寿店)
木城 整体を多店舗展開していく中で、整体でのケアを一区切りされたお客様のメンテナンスなどを行う場として、ピラティスであれば理学療法士というバックグラウンドを活かしながら、かつ現場で培った技術をベースに、体の不調を改善することに重きを置いたプログラムを提供できると思い、開発に至った。
ピラティスの1号店は22年開業の「ルルト恵比寿店」(東京都渋谷区)。オープン後すぐに反響があって事業の手応えを感じ、一定のニーズも確認できたため、多店舗化に踏み切った。
―― ルルトの特徴は。
木城 理学療法士がメニュー監修したオーダーメイド・マンツーマンレッスンのピラティススタジオであるというところだ。近年トレンドとなっているグループレッスンやフィットネス志向の華やかなスタイルとは異なり、お客様に「どこを改善したいか」をしっかりヒアリングした上で体の不調や悩みの原因を特定し、その改善に向け運動生理学に基づいてメニューを考え、一人ひとりに合ったオーダーメイドのピラティスを提供している。これにより、当社が行うピラティスの最適な効果が発揮できる。
―― ルルトの出店について。
木城 国内で月5店、年間60店の出店を事業計画として掲げている。国内においては順調に月5店の出店が進めば、25年内に国内100店が達成できる見通しだ。海外もアジア圏を中心に店舗開発を進め、出店を加速している。
既存店の出店エリアはボリュームで言うと都心部に多いが、北海道や沖縄県にも店舗があり、日本全国を対象に地方でも続々と出店を進めている状況だ。また、都心部なら住宅街に近い乗降客数の多い駅前の複合ビルやオフィスビルの空中階など、地方で車社会のエリアならロードサイドやショッピングモール・商業施設の近くなどに出店しているケースもある。通勤・通学の途中、買い物のついでなどお客様の来店は様々なため、各エリアで最も効率の良い場所に出店することを心がけている。
―― 出店は直営がメーンですか。
木城 現在は直営店約8割、フランチャイズ店(FC)約2割で、FC店は複数展開しているオーナーもいる。今後の出店も状況を大きく変えることは考えておらず、直営店を主体に進めていきたい。
―― リブランディングも始めました。
木城 ルルトの展開当初は整体が当社のメーン事業で、ルルトは新規事業としてあまりコストをかけずにスモールスタートした。その中である程度店舗が広がり、今後さらに拡大を目指す上でルルトのブランドに一貫性を持たせるため、リブランディングに着手した。マーケティングに強いデザイナーなどに協力してもらいながら、ルルトブランドの再構築を進めている。
―― 今後の目標は。
木城 ルルトは30年までに国内300店、国内外計1000店を店舗数の目標としている。これは最低限の目標として達成したいし、ピラティスの市場自体は国内外問わず伸びているので、上振れる可能性もある。
将来的には“ピラティススタジオ=ルルト”と言われるようになりたい。その過程で、まずは30年までにアジアNo.1のピラティススタジオチェーンを作りたい。海外、特にアジア圏はマンツーマン型のピラティススタジオチェーンは数えるほどしかなく、海外にも店舗を拡大していくことで、アジアNo.1が狙えると思うので、そこを目指して事業拡大を図っていく。
(聞き手・副編集長 若山智令)
商業施設新聞2606号(2025年7月29日)(7面)
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