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第281回

(株)KOKUSAI ELECTRIC 社長 金井史幸氏


6月から新体制でスタート
メモリー投資「下降局面ではない」

2018/7/13

(株)KOKUSAI ELECTRIC 社長 金井史幸氏
 (株)KOKUSAI ELECTRIC(東京都千代田区神田鍛冶町3-4、Tel.03-5297-8511)は、日立国際電気の半導体製造装置部門が分離・独立して2018年6月に誕生した半導体製造装置専業メーカーだ。成膜装置を主力に、旺盛なメモリー投資を背景に足元でも好業績を収めている。専業メーカーとして今後は他社とのアライアンスを求められるなか、どういった事業戦略を描くのか。日立国際時代から半導体製造装置事業を統括してきた金井史幸社長に聞いた。

―― まずは独立に至った背景を振り返って下さい。
 金井 当社は00年から日立国際電気として日立グループの傘下で半導体製造装置事業を展開してきた。しかし、実態はシナジーのなかなか見込めない事業体との併存を求められてきたので、よくいえば補え合える、悪くいえば一緒にいる意義があまりなかった。今後を考えた場合、独立して次の展開を模索した方が良いと考えていた。

―― 独立前と後で事業戦略に変化は。
 金井 成膜装置を中心に展開するという意味で、大きく変化はさせていない。しかし、今後は半導体製造装置業界のなかで、他社とのアライアンスを意識しながら、新しい開発アイテムを作り出していきたい。
 特に近年は成膜やエッチングなどの個別プロセスをインテグレーションした複合プロセスでのソリューション提供を期待するお客様も多い。こういったなかで、成膜装置単独での技術開発だけではなく、成膜プロセスの前処理・後処理など前後の工程を念頭においた開発も強化していく。

―― 足元の売り上げ状況を教えて下さい。
 金井 17年度(18年3月期)は売上高ベースで前年度比45%以上の増加と非常に高い伸びを示した。シェアの上昇もあったが、16年度に抱えた受注残の貢献も大きかった。そういった影響もあり、18年度は前年度比で1割弱のプラス成長を見込んでいる。メモリー投資は足元ではNANDで一服感が出ているが、決して下降局面とは見ていない。

―― 韓国メーカーではDRAM投資の見直しも出ていますが。
 金井 当初の装置納入スケジュールに対して数カ月のスライドが出ているのは確かだが、市場動向を見て戦略的に計画を見直しているところがあり、DRAM投資全体がネガティブな方向に向かっているわけではないと考えている。NANDも主要各社の投資がほぼ一巡しているが、年明け以降、新ファブ向けの受注が本格化すると見ている。

―― 中国メモリー投資は。
 金井 主要企業のパイロットラインに納入しているが、量産は少し時間がかかる可能性も見据えている。ただ、200mmファブの新設計画については順調に立ち上がっている印象だ。

―― 200mm分野へのアプローチは。
 金井 従来は中古装置や既存装置の改造などで対応していたが、1年半ほど前から200mm対応の新規装置のプロモーションも強化しており、今年度もまとまった台数の出荷を見込んでいる。300mmで培った技術を盛り込むかたちで、搬送系などを見直したほか、フットプリントも従来に比べて大幅に改善し低COOを実現している。価格競争力のある設定をしている。

―― 生産面で部材調達などへの不安は。
 金井 一時はかなりシビアな状況だったが、最悪期は脱した印象となってきた。ただ、一部部材の供給は依然タイトなものもあり、まだまだ油断はできない。

―― 富山工場の生産体制は。
 金井 16年末に富山工場の新棟が竣工したが、もう一段生産体制を強化する取り組みを進める。具体的には、新棟内にある一部機能を同一工業団地内にある別の建屋に移設し、空いたスペースを生産フロアとして活用する。これにより、新棟のクリーンルーム面積は2割強増える見通しだ。今年の夏ごろには、この作業が完了する。これによって、20年中期計画(16年度比約70%増)に向けたさらなる増産に対応可能になる。

(聞き手・副編集長 稲葉雅巳)
(本紙2018年7月12日号1面 掲載)

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