電子デバイス産業新聞(旧半導体産業新聞)
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第296回

電子デバイスフォーラム京都 プログラム委員会 委員長 中村孝氏


5回目迎えより豪華に
技術から市場動向まで網羅

2018/10/26

電子デバイスフォーラム京都 プログラム委員会 委員長 中村孝氏
 日本電子デバイス産業協会(NEDIA)は、10月31日と11月1日に京都リサーチパーク(京都市下京区)で「第5回電子デバイスフォーラム京都」を開催する。5回目の節目となった今回は、成長著しい次世代自動車やメモリーに加え、AI・ロボテックスをテーマとしたセッションが設けられる。プログラム委員会委員長を務める大阪大学大学院工学研究科教授の中村孝氏に話を聞いた。

―― 第5回目の開催となりました。
 中村 電子デバイスフォーラム京都は、世界で活躍する独自カルチャーを持った電子デバイス企業が多数集積する京都を舞台として開催しているセミナーイベントだ。2014年にスタートして毎年開催してきたが、前回の第4回は参加者が延べ1100人を超え、近畿圏だけでなく関東や中部、九州といった全国各地から集まるなど全国的な知名度が高まっている。好評を得て節目となる第5回の開催を迎えられたことは大変喜ばしい。プログラムは例年どおり基調講演とマーケティングセッション、柱となる技術セミナー、特別セッションで構成される。

―― プログラムの詳細についてお聞きします。まずは基調講演から。
 中村 基調講演では、トヨタ自動車(株)パワートレインカンパニー常務理事の安部静生氏、東芝メモリ(株)代表取締役社長の成毛康雄氏が登壇する。自動車の電動化と最先端メモリーという、業界を牽引する2大分野について代表企業のキーマンから直接戦略を聞くことができる絶好の機会となる。また、京都企業から(株)SCREENセミコンダクターソリューションズ代表取締役社長執行役員の須原忠浩氏が登壇する。半導体市場の活況を支える製造装置産業について、最新の動向が報告されるだろう。

―― 前回に続き、マーケティングセッションを個別に設定しました。
 中村 前回、基調講演やほかの技術セミナーと重複しない、2日目の午前中に開催したところ大変好評を博したため、今回も同じ日程に設定した。文系の営業、マーケティング担当者や、マネジメント層からも参加者を集めた。業界を代表する一流の講師陣を迎え、電子デバイス市場の最新動向を知るのにうってつけのプログラムとなっている。

―― 技術セミナーは次世代自動車、メモリー、AI・ロボテックスの3本です。
 中村 次世代自動車は、初回から継続して開催している人気セッションだ。当初から電動化や自動運転をテーマとしているが、今回は自動運転関連システムからセンサー、電池、パワーデバイスなどデバイスに関する講演を揃えた。
 メモリーは市場の急成長を背景に前回設定したところ大好評だったセッションで、今回も引き続き開催する。3D-NANDだけでなく、DRAMや新メモリー、プロセス技術に関する講演も揃っている。AI・ロボテックスは、前回まで設定していたIoTセッションを再構成した。
 AIやロボットを活用した製造業、建設業、警備など、アプリケーションやソリューションの観点を中心に講演を組んだ。

―― 特別セッションはパッケージや中国、韓国市場動向などのセッションを揃えました。
 中村 パッケージはデバイスと同様に高い注目を集める分野となっており、前回に引き続きセッションを設けた。市場トレンドから最新の実装技術、封止材料、はんだ材料までを網羅している。また、次世代ディスプレーセッションでは採用が進む有機ELに加え、将来的に事業化が期待されるマイクロLEDなどの動向を紹介する。さらに、中国をテーマとしたセッションではディスプレーや半導体で躍進している中国市場を取り上げ、韓国セッションでは中国の猛追を受ける韓国の対応を軸に据える。このほか、毎回恒例となる参加無料の大学セッションも設ける。

―― 次回以降の開催に向けた抱負を。
 中村 5回目の開催を迎え、運営体制がこなれてきて、フォーラムイベントとしての完成度がかなり高まってきたと感じている。電子デバイスフォーラム京都はセッションチェアに様々な分野の専門家を揃えており、各メンバーの知識をプログラムに活かせているのが特徴だ。
 次回開催については現時点では未定だが、これまでの開催で培った強みを維持しながら新たな情報を盛り込んでいきたい。また、すでに京都のみならず全国から講師、参加者を集めるイベントとなっているが、この広がりを海外にまで広げてワールドワイドでの情報を取り込める内容にしていく。

(聞き手・中村剛記者)
(本紙2018年10月25日号4面 掲載)

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