電子デバイス産業新聞(旧半導体産業新聞)
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第353回

ライトハンド・ロボティクス合同会社 代表 田村研三郎氏


倉庫用の独自ロボ技術を展開
初の海外法人を日本に設立

2019/12/13

ライトハンド・ロボティクス合同会社 代表 田村研三郎氏
 ライトハンド・ロボティクス(RightHand Robotics、米マサチューセッツ州)は、倉庫内で使用する独自のロボットソリューションを手がけるベンチャー企業。モデルレスでピースピッキングが行える高度な技術を有しており、10月には同社初の海外法人として、日本にライトハンド・ロボティクス合同会社(東京都千代田区大手町1-5-1)を設立した。今回、日本法人の代表を務める田村研三郎氏に話を伺った。

―― 貴社の概要について。
ピースピッキングシステム「RightPick」
ピースピッキングシステム「RightPick」
 田村 当社は、ハーバード大学、イエール大学、マサチューセッツ工科大学の出身者が中心となり、2015年に設立された企業で、ロボットを活用した独自のピースピッキングシステム(Eコマースなどでオーダーに応じた商品・個数を出荷箱に取り分けるシステム)「RightPick」を展開している。
 もともとはハーバード大学とイエール大学で研究されていた技術で、AIによって初めて見たものでも形状などを認識でき、DARPA(米国防高等研究計画局)の地雷を認識・除去する技術を後押しするためのコンテストで優勝した。その技術を民間に転用できないかと検討した結果、Eコマースでのピースピッキングが浮上し、17年から販売を開始した。

―― RightPickについて詳しく。
 田村 当社独自のソフトウエアとロボットハンドなどに、ロボットアームやインテルの3次元カメラ「RealSense」などで構成される。大きな特徴としては、モデルレス、つまりは商品の事前登録なしで使用できることが挙げられ、商品の形状を自動分析してピッキングする位置や姿勢を自動計算し、ティーチング作業なしでロボットによるピッキング作業が実現できる。ロボットハンドはバキュームとグリッピングを組み合わせたタイプで、ロボットアームが高速で動作しても商品を安定的に把持でき、柔軟不定形物への対応も優れている。

―― 採用実績は。
 田村 本社のある米国を中心に欧州などでも採用されており、現在、小売、医薬品、化粧品など幅広い業種の倉庫で活用されている。日本では、日用品卸大手の(株)PALTAC(大阪市中央区)が10月に開設した、2万種類以上の商品を取り扱っている物流センター「RDC埼玉」(埼玉県杉戸町)にRightPickが複数台導入されている。

―― 日本法人を設立された経緯は。
 田村 PALTACをはじめ日本からの引き合いが増えていたことに加え、Eコマース市場のさらなる拡大が見込めること、少子高齢化による人手不足が進んでいること、さらにRightPickを導入するうえで重要な自動化システムが多くの倉庫で普及していることなどを総合的に判断し、10月に当社初の海外法人として日本にライトハンド・ロボティクス合同会社を設立した。

―― 今後の方針をお聞かせ下さい。
 田村 日本法人を設立してまだ間もないが、すでにいくつか引き合いをいただいており、そういったお話への対応に全力を挙げていく。また、RightPickを導入するうえで、マテハン、コンベアー、梱包、WMS(倉庫管理システム)などとの連携は非常に重要であり、こういった倉庫関連設備メーカーとの連携ならびにシステムインテグレーターとの連携網を構築していきたい。そして、倉庫におけるロボットによるピースピッキングシステムを多くの方に知っていただき、倉庫用ロボットピースピッキングの分野で日本を含む世界でトップシェアを獲得していきたい。

(聞き手・浮島哲志記者)
(本紙2019年12月12日号9面 掲載)

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