電子デバイス産業新聞(旧半導体産業新聞)
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第451回

『日本半導体産業 激動の21年史』の上下巻ついに完成/発刊


記念セミナーは10月13日に開催、東大d.lab長の黒田忠弘氏の講演は超注目なのだ

2021/10/1

 「温故知新」という言葉がある。古きをたずねて新しきを知る、という意味であるが、誠に言い得て妙と言えるだろう。つまるところ、新しいと思われるコトやモノについても、ほとんど過去に生まれているものの再生なのである。もしくは、過去の集積の上に画期的な開発や発明がされるのである。

 政治においても、経済においても、技術の世界においても、過去の歴史に学ぶことは多い。半導体の始まりは、1947年のショックレー、バーディーン、ブラッテンの3人の博士により発見されたトランジスタである。それからたった74年の歴史しかないというのに、驚異的な年率2桁成長を続けてきて、いよいよ異次元とも言うべき半導体100兆円時代の到来が視えてきた。

 しかして、ここに至る道は山あり谷ありの苦難の連続であり、ここに携わった多くの人たちが努力を傾けて歴史を作ってきたわけである。今日、新型コロナウイルス禍の情勢下にあっても、半導体産業は「ひとり勝ち」とも言うべき爆走モードを続けている。2021年の半導体生産は前年比20%増の60兆円、設備投資は史上空前の3割増・15兆円が投入され、大活況を呈している。

 さて、筆者が所属する産業タイムズ社では、躍動する半導体産業が世界経済を動かす存在になっていく21年間(2000~2021年)の歴史をキーパーソンの語りを中心にまとめた『日本半導体産業 激動の21年史』の下巻を9月27日に発刊する運びとなった。2020年秋に刊行した上巻は、2000年~2010年までの半導体関連企業の激闘をまとめたが、下巻では2011年~2021年までをまとめており、東日本大震災、地球温暖化、新型コロナ禍など、激動の時代を生き抜く半導体産業の戦いぶりを詳述している。著者は、半導体業界の最古参記者となった私こと、泉谷渉がメーンである。サブの著者は、朝日新聞元論説委員の伊中義明氏が担当した。

 電子デバイス産業新聞を発刊する産業タイムズ社は、2000年4月に『日本半導体50年史~時代を創った537人の証言』を世に出している。この本は、1947年のトランジスタ誕生から1999年のインターネット主役の時代到来までの50年間の半導体産業を描いたものである。今回の『日本半導体産業 激動の21年史』はこれに続く半導体の新時代とも言うべき、2000年~2021年までの流れを詳細に綴ったものであり、これで日本および世界の半導体の74年間にわたる通史が完成したことになる。上下巻併せて登場する企業は691社、人物は403人となっており、時代を創り未来に向かう人たちの物語を、すべて直接取材をベースに書き上げたものである。いわば半導体の歴史ということにおいてのオンリーワンともなるワークを完成させたことになるのだ。

 この『日本半導体産業 激動の21年史』上下巻の発刊記念セミナーが、2021年10月13日(水)13:30~17:20に開催される。タイトルは、「『半導体を制するものが世界を制する!』時代が到来した!!~異次元の大型投資で日本の半導体/製造装置/材料が一大飛躍~」。すべてZoomによるオンライン配信であり、受講料は税込み3万8500円(1名)。特典としては、ご参加いただいた方全員に『日本半導体産業 激動の21年史』上下巻(定価税込み1万120円)が進呈される。

 同セミナーは、ニッポン半導体産業の21年間の歩みを技術的に、かつマーケット戦略論も踏まえて検証し、異次元の大型投資でデバイス、装置、材料をクロスオーバーさせて一気の世界展開を狙う「日本復活」の将来像を展望していくものである。泉谷渉がイントロの講演を行い、その後に大注目を集める東京大学システムデザイン研究センター(d.lab)センター長の黒田忠弘氏が講演される。東京大学は台湾TSMCと戦略的提携を行い超画期的なシステムLSIの開発で勝負し、国の半導体強化プロジェクトにも多大な役割を果たしているのだ。次にJSRの名誉会長/経済同友会副代表幹事の小柴満信氏が講演される。そして大トリは、日本電子デバイス産業協会の齋藤昇三会長が意欲的なエッジコンピューティングの半導体の未来像を講演されるのである。
 プログラムは下記のとおり。


■【プログラム】
13:30~14:20
 半導体を制するものが世界を制する!~視えてきた100兆円市場への日本の挑戦~
講師:(株)産業タイムズ社 代表取締役 会長 泉谷渉
 【休憩:14:20~14:30】
14:30~15:20
 半導体戦略 ~先々の先を撃つ~
講師:東京大学 システムデザイン研究センター(d.lab)センター長 
先端システム技術研究組合(RaaS)理事長 黒田忠広
 【休憩:15:20~15:30】
15:30~16:20
 半導体業界におけるJSRの歩み、そして電子材料王国ニッポンへの提言(仮)
講師:JSR(株) 名誉会長/経済同友会 副代表幹事 小柴満信
 【休憩:16:20~16:30】
16:30~17:20
 日本半導体の歴史から得られる教訓とこれからの成長エンジン~エッジデバイスへの期待~
講師:一般社団法人 日本電子デバイス産業協会 代表理事/会長 齋藤 昇三

 ふるってご参加のほど、お願い申し上げる次第であります。


申込み
 お申し込み・お問い合わせは、産業タイムズ社・事業開発部(Tel.03-5835-5894/Fax.03-5835-5497)まで。


泉谷 渉(いずみや わたる)略歴
神奈川県横浜市出身。中央大学法学部政治学科卒業。35年以上にわたって第一線を走ってきた国内最古参の半導体記者であり、現在は産業タイムズ社 代表取締役 会長。著書には『自動車世界戦争』、『日・米・中IoT最終戦争』(以上、東洋経済新報社)、『伝説 ソニーの半導体』、『日本半導体産業 激動の21年史 2000年~2020年』、『君はニッポン100年企業の底力を見たか!!』(産業タイムズ社)など27冊がある。一般社団法人日本電子デバイス産業協会 理事 副会長。全国各地を講演と取材で飛びまわる毎日が続く。
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