電子デバイス産業新聞(旧半導体産業新聞)
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第675回

(株)フジキン 代表取締役社長 田中久士氏


半導体装置バルブでトップ級
30年までに連結売上3000億円

2026/5/1

(株)フジキン 代表取締役社長 田中久士氏
 (株)フジキン(東京都千代田区)は1930年に創業し、2030年に100周年を迎える企業である。半導体製造装置用バルブで世界トップクラスに位置しており、集積化ガスシステムなどの超精密流体制御においても最先端の技術水準を誇っている。30年までに連結売上高3000億円台の達成を目指し、積極的な設備投資を続けている。同社を率いる代表取締役社長の田中久士氏に話を伺った。

―― 社長に就任してのメッセージは。
 田中 とにもかくにも、社員を大切にする会社にしたいと思った。そして社員のやりがいを応援することに注力している。また、社員とその家族を幸せにすることが、私の重要なミッションだと思っている。会社全体としては「安全第一」「健康第一」を心がけていくことが大切だと考えている。

―― 高シェアを持つ半導体装置向けバルブの強みについて。
 田中 ありがたいことに、シェアは30~35%を取らせていただいている。フジキンのバルブがお客様に愛される理由としては、ラインアップが豊富であること、そして性能・品質で勝てるものづくりを進めていることにあるだろう。さらなる高みを目指して、ガス供給系のインテグレート化に取り組んでおり、半導体製造装置メーカー様との共同開発を進めている。

―― FCSの圧力制御方式は名品ですね。
 田中 マスフローコントローラーの市場で、圧力制御方式をスタンダードにしたのが当社で、半導体製造ではエッチングなど、流量制御の性能を求められる領域で評価をいただいている。

―― ガス濃度計の開発については。
 田中 半導体成膜プロセスのオゾンガス濃度を管理する「新型オゾンガス濃度モニター」を開発した。これにより環境負荷を低減し、従来と同等以上の高い信頼性を得ることができるようになった。東京エレクトロン様、TMEIC様、当社で共同開発したものだ。当社単独では、半導体プロセスガスを即時に計測する「ガス濃度計」も開発した。

―― 最近の売上高推移については。
 田中 連結売上高は23年度が1700億円、24年度は2142億円で、25年度は2200億円となりそうだ。26年度については2500億~2600億円と予測している。そして創業100周年を迎える30年までには3000億円を達成することが目標である。売上高の70%は海外であり、アジア圏が多いが、今後は水素関連で欧州に注目している。30%の売上高を占める日本については、今後も伸びを示すと見通している。

―― 設備投資は。
 田中 積極的に進めている。24年には、オープンラボ兼ユニットシステム開発施設「ラボ・テクノロジーセンター」を開所した。また、万博記念つくば先端事業所内に分析センターを稼働させた。ちなみに、つくば先端事業所はTBSドラマ『下町ロケット』のロケ地として使用されたことで知られている。25年には本店社屋の新築、大阪工場東大阪プラント2の立ち上げを実行した。また、韓国においては新棟が完成し、中国では新工場が竣工した。これで主力の半導体装置用製品の生産能力が大きく引き上がることになる。

―― 女性力および中高年活用については。
 田中 定年を超えた方についても、雇用を延長している。グループ全体の従業員数は6800人であり、女性も数多く在籍しているが、これからも女性従業員は増やしていく方向であり、将来は女性の取締役の誕生を願っている。



(聞き手・特別編集委員 泉谷渉)
本紙2026年4月30日号1面 掲載

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